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講堂朝礼〜生徒へのメッセージ〜

Messages for Students

「足音」Sr 入江純子

Sr 入江 純子

 木々の緑が日に日に濃くなってきました。

 先日、梅雨の合間に熊本西原村の被災地にサツマイモの苗を植え付けに行ってきました。村おこしに力を入れているNPOの方が地震の後、荒れ地となった限界集落の畑を整地して畝を作りました。土を盛りビニールをかけ、ある間隔を置いて穴があけられていました。私たちは400本のサツマイモの茎を一本一本丁寧に植え付けました。サツマイモは収穫まであまり手がかからないように聞いております。実りの秋に大きな喜びが待っています。

 「人が土に種をまいて、夜昼、寝起きしているうちに、種は芽を出して成長するが、どうしてそうなるのか、その人は知らない。土はひとりでに実を結ばせるのである」(マルコ4の26  神の国のたとえ話です。土とはなんでしょうか。)

 今日の聖書の個所はイエス様の種まきのたとえ話です。

 「よく聞きなさい。種をまく人が種蒔きに出て行った。蒔いている間に、ある種は道端に落ち、鳥が来て食べてしまった。ほかの種は、石だらけで土の少ない所に落ち、そこは土が浅いのですぐに芽を出した。

 しかし、日が昇ると焼けて、根がないために枯れてしまった。ほかの種は茨の中に落ちた。すると茨が伸びて覆いふさいだので、実を結ばなかった。ほかの種は良い土地に落ち、芽生え、育って実を結び、あるものは30倍、あるものは60倍、あるものは100倍にもなった。」そして「聞く耳のある人は聞きなさい」と言われた。(マルコ4の3~9)

 イエス様の国では荒れ地にパラパラと大事な種を蒔くようです。枯れてしまう。鳥についばまれてしまう。神の国のたとえ話にしては何か釈然としないものが残ります。いったい自分はどこに落ちた種だろうかと心配になります。

 神父様からこの個所のお話を聞いた6歳のふうちゃんは次のように感じました。

「きょうかいで たねまきの おはなしを きいたの。たねが むだに ならないように かみさまの おはなしを よくききましょうって いったけど、ふうこは あの たねたちは むだにならないって おもう。だって みちに おちた たねは とりさんが たべたし いしのうえや いばらのなかにおちた たねは めをだして ひょろひょろでも むしさんが たべたとおもうよ。 だから だいじょうぶ、たねは むだになんかならない。(かみさま おてがみをよんでね)

 よく見れば なずな花咲く 垣根かな 松尾芭蕉 (なずな ぺんぺん草)

 存在するもので無駄なものは何一つない。ぺんぺん草でさえ まして「私は」ですね。

 もうすぐ田植えが始まります。機械でキチンと植え付けられた見渡す限りの緑の水田に風が渡ります。息が楽になるのを感じます。この苗たちは農夫の足音を聞いてすくすくと育ちます。稲の葉を見ながら、水は十分かな、害虫はいないかな、肥料は足りているかな など我が子のように心を配りながら何回も見て回ります。

シスターの質問

 先生の足音が聞こえますか。ご両親の足音が聞こえますか。友達の足音が聞こえますか。

 神様の足音はどうでしょうか。 聞く耳のある者は 聞きなさい。(神の言葉)

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