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講堂朝礼〜生徒へのメッセージ〜

Messages for Students

第1学期 終業式 校長 古賀誠子

一学期が終わりました。いつもなら、博多山笠の追い山で始まる夏ですが、今年は早い梅雨明けで、すでに熱い日々が続いています。自宅の一本のブルーベリーの木に、例年以上にたくさん実がなり、毎日ボール一杯の収穫を楽しんでいます。その実をよくみていると、その房は、ぶどうの房に形がよく似ています。枝は、細いのですが、少し赤みがかっていて、とてもしなやかで柔軟性があります。幹からしっかりと栄養をもらっているのでしょう。幹に繋がっていると、こんなに多くの実がなるのだと、あらためて、今学期4月のテーマであった「実を結ぶ」について考えました。あなたは、1学期、しっかりと一本の幹に繋がり、実を結ぶ枝だったでしょうか。

さて、今日は、ご一緒に1学期を振り返りたいと思います。4月、3回目の延期でようやく実現した第3学年の修学旅行、3年生にとって、初めての大きな学校行事になりました。キリスト教の伝来・日本の西欧化のはじまりに学びました。元町教会の、神父様のお話では、「自分は知らない」といってイエス様を3回裏切ったペテロの話を通して、「何度自分の生き方に失敗しても大丈夫です。神様は、そんなあなたを愛し一番弟子になさいます。」とお話いただき、イエス様の(弟子たちに対する)愛について学びました。家族やお友達のために、お土産を買う楽しそうなみなさんの姿、美味しいものをたべて笑顔で過ごした4日間、ジャンプ台でのバーチャルスポーツ体験も本当に楽しかったですね。4月下旬には、「ルーツの旅、平和の旅」が実現し、それぞれの学年が、本校のルーツ、信仰を守り抜いた殉教者たち、そして、潜伏キリシタンの残した有形無形の世界遺産に学びました。5月、これも延期を重ねましたが、みなさんにとって初めての体育会「創~刻む228の青春」が実現しました。皆さんが0から作り上げ、創造力と表現力を存分に発揮した体育会であったと評価しています。途中コロナが校内で流行りだして、一時は開催が危ぶまれました。どれだけ延期を重ねても、皆さんが文句ひとつ言わずに、実現に向けて、必死に協力してくれたことが、私たち教職員にとっても大きな励みになりました。6月は、博多座で大歌舞伎を鑑賞しました。初めて見る大歌舞伎、迫力ある演技、そして目を見張るような美しい衣装と舞台、古典芸能ならではの興味深いストーリーに感動を覚えました。博多座の雰囲気も、存分に楽しめたのではないでしょうか。大人になって、高校生の時歌舞伎を見にいったなと是非思いだしてください。いつかまた自分で見に行けるといいですね。芸術は、心をリフレッシュさせ、心の奧深いところに豊かな気づきを与えてくれます。また、先日は、ラブアースクリーン活動も行うことができました。「清掃したら、きもちいいね」と友人同士話している1年生の姿を見て、高校生らしい成長を感じました。先日、放課後廊下を歩いていると、2年生の教室で、一生懸命、iPadをつかって自習をしている生徒がいました。「何しているの?」と聞くと、「満点もらうために自分の納得がいくまでレポートの修正をしているのです。」と話していました。ペーパーテストだけで評価しない新しい評価のはじまりです、特に、「思考・判断・表現」、「主体的に学習に取り組む態度」は、課題や発表の出来具合、授業態度など、日々の授業での取り組みの状況に大きく左右されます。満点を取りたい評価の観点です。通知表をもらうと、これまで以上に、自分の努力するべき点がはっきりとみえてくるのではないでしょうか。そして、今、日本社会は、みなさんが何を学んだかではなくて、学んだものをどれだけ使えるのかを重視する時代に入っています。

私たちは、令和2年、令和3年とコロナという未知のウイルスに、不自由を感じ、苦悩してきました。しかし同時に、皆で力を合わせて、コロナに立ち向かって過ごしてきた日々ともいえるでしょう。互いを思いやり、互いの家族にも配慮し、人に丁寧に関わってきた日々は、「信頼」に基づく強い絆を私たちにもたらしてくれました。学校行事も部活動も、そして留学も思うように実現しない、閉塞感を覚えた2年間でしたが、今年度は、こうして一学期間を振り返ってみると、「できたこと」がたくさんあって、本当に感謝の日々でした。そして、人が心を合わせると、大きな力になるということを身をもって学びました。第2学期は、いよいよ9月4日に海星祭を実施します。先日の生徒会の提案、海星祭Tシャツは素晴らしいアイディアでしたね。収益金は、「こうのとりのゆりかご」に寄付されるとのことです。生徒会の提案に賛同し、私からも一人一人の協力を是非御願いしたいと思います。そして、たとえどのような状況になったとしても、知恵を出し合いながら、海星祭実施に向かって前進してまいりましょう。

最後に、1学期のチャペルノートを見て、皆さんが宗教に真摯に向き合い、他者に思いをめぐらし、自分の生き方を選び直す振り返りに、たくさん出会ったことを嬉しく思います。「種を蒔くときに、どんな思いで蒔くかが大切だと思いました。みんな与えられてきた種は、神様から与えられた種だから、それを自分がどう使うかによって違ってくると思いました。自分でその種をもっともっと増やして、たくさんの人に手をひろげ、そこからさらに人と人が繋がっていけば、社会に豊かなみのりをもたらすと考えます。」(2年生振り返りより) 

本日の聖書の箇所、「目が澄んでいれば、あなたの全身が明るい」子どもの目のような澄んだ目で、疑うことをせずに、一つのものを一生懸命、じっと見つめてみましょう。私たちが「ともし火」を純粋に見つめると、目から全身に光が差し込んできます。私たちが見つめる「ともし火」、それは神様ですね。私たち人間の目には見えないけれども、見えないものこそ、純粋で澄んだ目で一生懸命見ようとしてみましょう。私たちの目から光が差し込んできて、あなたの全身を照らします。そして、そこからさらにあなたが周囲を照らす人となるのです。

「海星での学び」を深める2学期でありますように。コロナが再び流行しています、感染対策をしっかりして、よき夏休みをお過ごしください。

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