「地の塩、世の光」シスター入江純子
「あなたがたは、地の塩である。あなたがたは、世の光である。」「マタイによる福音書」第5章13-14節
新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。在校生のみなさん進級おめでとうございます。
寒かった季節が過ぎ、桜の花の美しい時を迎えました。かたい蕾が気温を感じながら開花前線が北上していきました。私たちも今のこの時(青春真っ只中)を感じながら各自の開花前線の時を心身で感じながら、この学校で友達と一緒にしっかり学びましょう。
今日の聖書は「地の塩、世の光」です
「あなたがたは地の塩である。だが、塩に塩気がなくなれば、その塩は何によって塩味が付けられよう。もはや、何の役にも立たず、外に投げ捨てられ、人々に踏みつけられるだけである。あなたがたは世の光である。山の上にある町は、隠れることはできない。また、ともし火をともして升の下に置く者はいない。燭台の上に置く。そうすれば、家の中のものすべてを照らすのである。そのように、あなたがたの光を人々の前に輝かしなさい。人々が、あなたがたの立派な行いを見て、あなたがたの天の父をあがめるようになるためである。」
シスターの育ったところは若狭湾でとれた鯖を塩漬けにして京都に運んだ塩の道の途中にある宿場町です。山道を荷車や背負ったりして運んだようです。
あなたたちは「地の塩である」とはっきり言われている存在です。塩は腐敗を防止します。あなたたちが塩であるならば人生に対して防腐剤の役割があります。また、人生によい塩味を付けるのにはどうしたらいいのでしょうか。料理に味の決め手は塩加減です。何回も味見をして、納得して人に食べていただく。作った人にも、食する人にも喜びが生まれます
塩は塩気を失うことはないのですが、人が自分の役割や使命を果たさなければ必ず捨てられてしまいます。人生に味をつける喜びをかみしめたいですね
「あなたがたは世の光である」とは神様からあなたは世の光ですと、はっきり言われている存在です。
この断定的な言葉は誰から言われているのですか。それは「わたしは世の光である。わたしに従うものは闇の中を歩まない」と聖書にキリストの言葉として書かれています。光源はキリストです。月が太陽の光を受けて輝いているように、人は神であるキリストに照らされて輝くのです。「光は闇の中に輝き、神に従う人、心の正しい人、あわれみ深い人を照らす」(詩編112)とあります。そしてその行いは、情け深く人に貸し、仕事を公正に行い、悪い知らせを恐れず、神に信頼してその心は毅然として揺るぎない。
地の塩、世の光である「私」に誇りをもって新学期を始めましょう。
シスターはハラハラしながらWBCの良い結果の場面だけ見ました。投手であれ、打者あれピンチのその時に自分のやるべきことに責任をもってあたっていく姿が素晴らしいでした。「つなぎ」の場に自分を置き、仲間を信じて場面の流れを次に渡していく。大きな責任を受けて立つ姿に感動しました。
また、ロッテの佐々木朗希投手(21歳)のことが心に残りました。彼は9歳の時、東日本大震災で父親と祖父母を津波で亡くされました。栗山英樹監督は「チームに化学変化が起きている」と言っておられました。160キロ級の速球を投げる彼のことを「一球一球、魂を込めてめいっぱい投げている佐々木投手の姿がベンチでもすごく感じとれた。球にスピードとかそういうことよりも彼もいろんなことを感じながら、ボールを投げるというより、思いを届けているように感じた」と。佐々木投手の投球に込めた思いは、「時間がたっても悲しい思いをされたり、苦しい思いをされている方がいるなか、一瞬でも忘れていただいて少しでも楽しかったり、笑顔になれたり、元気になっていただけたら幸いです」と。きっと思いが届いたことでしょう。
地の塩、世の光として他者を思いやれるのは深い悲しみ、深い喜びの味を心の根っこに持っている人かもしれませんね。
シスターのひとりごと
昨日の「つなぎ」を生きた今日。明日にどう「つなげ」ようか?
佐々木投手はいい塩味をもっておられますね。佐々木投手を応援しょうかな