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講堂朝礼〜生徒へのメッセージ〜

Messages for Students

第3学期修了式  校長 古賀誠子

学院のキャンパスにある110本の桜が、蕾をつけ、もうすぐ咲こうとしています。暖かい陽ざし、厳しい冬を乗り越え、ようやく蕾をつけ、ピンク色の桜の花びらに学院中が包まれる季節、とても待ち遠しく思います。さて、今日は、2023年度を締めくくる大切な日です。皆さんは、4月から今日まで、この一年をどう振り返りますか。そして、2024年度は、どのような自分であることを思い描いているのでしょうか。2年生は最終学年になり、いよいよ受験生。1年生は、中堅学年となり、学校行事、部活動、学業において、主体的、かつ中心的な役割を果たしていかなければなりません。自分に与えられるその時々の課題にしっかりと向き合い、丁寧に取り組むあなたであってほしいと願います。

さて、私は皆さんから提出された今年度、最後のチャペルノートを見ながら、2023年度を振り返り、みなさんが今年度どのような「言葉」との出会ったかをまとめてみました。シスター入江による講堂朝礼でのエピソードをいくつかご紹介しますので、記憶をたどりながら、思いだしてみてください。(WBCを振り返って)「投手であれ、打者であれ、ピンチのその時に、自分のやるべきことに責任を持ってあたっていく姿が素晴らしかった。つなぎの場に自分を置き、仲間を信じて場面の流れを次に渡していく。大きな責任を受けて立つ姿に感動しました。」「マリア様の挑戦する力は神への信頼です。学校目標である「愛をもって真理に向かう」は、愛するというハードルに向かって、常に挑戦する生き方を示しています。」「耳を研ぎ澄まして、今の現実から私に告げられていることを聞いてください。『愛を持って真理に向かう』目標のもとに学ぶあなたたちは、きっと神が求めている『私』に出会うことでしょう。」「神と共に歩むことって、歩調が合うのかな?たぶん神様が合わせてくださるでしょう。」「何事も神様の許可がなければ起こりません。そして、神様がなさっていることに口をはさむことはできないのです。」「60周年を生きるわたしたちに、この時をお与えになった。それに応えたあなたたちは、これからもおかれた時と場をキャンセルしないように、受け入れていくことに人生をかけて欲しいと思います。」「道具は必要な時に、その場だけに使われるものです。そのほかの時は、道具箱にしまわれてしまいます。今海星で学んでいるあなたたちは、時と場に適した切れ味のいい道具になるために、自分を磨いています。切れ味のいい道具になるためには、我欲が邪魔になるかもしれませんね。」「他者の苦しみに自らを合わせることによって言葉や行動に移せる。それが愛することの原点でしょうか。」「マリア様は、どういう思いで、生まれてきたイエス様を抱いておられたのでしょうか。神のひとり子をお育てする。そのようなことが私にできるだろうか。できるとか、できないとかを超えた思いの中におられたように感じます。『仰せのままに、われになれかし』と応えられたマリア様、置かれた現実を受け入れていく生き方に、自分の立ち位置をしっかりと置かれています。」

今年も、皆さんの心に、数々の言葉が残ったようです。一つ一つの言葉にエネルギーがあり、心が揺さぶられたことと思います。今年度も共に、新しい生き方について学びました。「大きな責任を受けて立つ生き方」、「神様を信頼し、委ねながら、常に挑戦しつづける生き方」、「神様と共に歩む生き方」、「現実を受け入れていくことに人生をかけていく生き方」、「時と場に適した切れ味のいい道具になる生き方」「他者の苦しみに自らを合わせる生き方」です。

聖書は、「言葉は神である」ことを明らかにしています。しかしながら、現実に目を転じてみると、これらの言葉を実践することは決して容易ではありません。挑み、成し遂げるまでに、自分の中で様々な葛藤や悩みがおこります。しかし、私たちはそれらを乗り越え、新しい価値観に一層心を開き、勇気を出してこれまでの自分の生き方を変えていくことができる自分になる必要があります。「好き・嫌い」や「できる・できない」ではなく、自分のいのちを「高める」生き方を選び、神様に喜ばれる私たちになっていきたいと考えます。

「裸で生まれてきた私たちにとって、いただいたいのちだけが貴いのです。学歴、地位、身分、財産などは、この世においてのみ通用する飾り物です。この世の成功だけを目的にしている人生であれば、それらにも価値はあるのでしょうが、主のみ前では、「いかにいのちを高めたか」だけを問われるのです。」(バレンタイン・デ・スーザー「そよ風のように生きる」より)

60周年を迎えた節目に、60周年記念フラッグを作成しました。そこには、みなさんの海星に対する思いがたくさん書かれていて、先生方がそれを読み、大変感動していらっしゃいました。「個性豊かな人が多くて、いろいろな人と関われる」「自然豊かで、過ごしやすい」「何もかもが明るく見える」「いろんな国の人と関われる」「女子校だから過ごしやすい」「人として大切にしたいことについてあらためて考えさせられる」「冬休みが長い(笑)」などでした。

同時に、先生方も、海星に対する思いをつづった記念誌、「ぶどうの木」を作成しました。もうお読みになられたかと思いますが、最後に、皆さんともう一度共有したいメッセージが一つありましたのでお読みします。「海星の先生方は、信じられないくらい優しく、温和だ。そしていつも生徒の元へと出かけ、寄り添おうとする。どんな時も。『どうしてそこまで生徒に寄り添うことが出来るのか』、本当に驚くばかりである。海星ではごく自然に当たり前に遠い異国の戦争や災害にも必ず祈りがささげられる。『戦争や災害を受けた人々を顧み、一刻も早く平穏な日々が訪れることを、再び立ち上がる力をお与えください』と。何かを求め、自分のために祈るのではなく、苦しんでいる人のために祈る。学院が木々や森に囲まれて存在するように、他者に寄り添い、他者と共に歩んでいこうとする『優しさ』に包まれているのを感じる。海星に赴任し、優しく素晴らしい仲間・生徒と巡り合えた。」

 「このように福岡海星には、永遠に変わらないものがあり、いつの時代にも共通する普遍の真理が学院を支えてきました。」(シスター入江ご講話より)本日の聖書の箇所にもあったように、本校は岩の上に建てられた家です。風が吹いて、その家を襲ったとしても、決して倒れません、なぜならば、60年間、先輩方、在校生の皆さん、そして先生方も、しっかりと、聖書のみ言葉に耳を傾け、それを実行に移し、将来に向かって確かな土台を積み上げてきたからです。

このような母校を誇りに思う生徒のみなさんであってほしいと考えます。4月に元気にお会いしましょう、よき春休みをお過ごしください。

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