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講堂朝礼〜生徒へのメッセージ〜

Messages for Students

第2学期 始業式 校長 古賀誠子

暑い夏が終盤に近付き、2学期の始まりを迎えました。みなさんは夏休み、どのように過ごしましたか。部活動に励んだ人たち、課外授業に一生懸命取り組んだ人たち、それぞれの目標に向かって、よく努力したことと思います。夏は、スタディーキャンプ、ミラクルチャレンジ、部活動の合宿や大会、こども園での実習など様々な活動が組まれていて、自分がもっとも興味のあるものに時間をたっぷり使うことが出来、充実した日をおくることが出来ます。私も、それぞれの活動を視察し、皆さんの普段とは違う顔を見ることが出来、嬉しく思いました。

さて、日本中がパリオリンピックで湧く中、7月27日(土)、久留米アリーナでは、高校総体(インターハイ)の開会式が行われました。全国トップクラスの高校生アスリートが集います。今年は九州北部が会場となり、全国からの高校生トップアスリートたちを迎えました。大会は主に福岡、大分、佐賀、長崎で行われました。さて、本校のバトン部は、この開会式において演技を行いました。1年以上前から、大会事務局より、開会式での演技をしてほしいとのオファーを受けました。本校バトン部のこれまでの実績を高く評価いただき、福岡県で数あるバトン部の中から本校が選ばれたのです。お話いただいたとき、とても光栄に思いました。当時の3年生は卒業して、メンバーが入れ替わる中、4月に新しい1年生を迎え、この日のために、一生懸命練習を行ってきました。また、バトン部の生徒たちはもちろんのことですが、顧問の先生のご苦労もたくさんあったことと思います。縁の下の力持ちです。福岡県からお引き受けした仕事を、本校が最後まで立派に成し遂げることができたこと、大変誇りに思うと同時に、心から感謝しています。まさに、創立以来の歴史を「次に繋ぐ」ということはまさにこのことであると実感しました。卒業した先輩が作ってきた実績を2、3年生が引き継ぎ、新しく入ってきた1年生はひたすら先輩の背中をみながら、努力して理想の形に近づく、見事なファインプレーでした。

秋篠宮様、紀子様ご臨席の下、開会式で選手が入場する際、本校バトン部が、先頭に立って、堂々と華麗な演技を披露しながら、選手たちをリードする姿を見たとき、言葉で言い表すことができないほどの美しさに感動しました。そして、ご来賓の多くの方々からも、たくさんのお褒めの言葉をいただいたことを、皆さんにも報告します。

さて、もう一つファインプレーをご紹介したいと思います。皆さんは、玉竜旗を知っていますか。高校剣道の3大大会の一つです。今年度、大濠高校が福岡第一を破り、11年ぶりに8度目の優勝を果たしたことは、皆さんはすでに知っていることと思います。玉竜旗は、5人制の勝ち抜き戦で、若き剣士が相手を次々と倒して秀でた腕を示すのが見どころです。追い込まれ、抜き返しての逆転劇も多く、決勝で大将が3人以上抜き返して大旗をつかむなど、多くの名勝負が生まれている大会です。

私は7月30日の朝刊で、今年の結果を知り、感心しながら記事を読んでいました。「始めは、福大大濠が勝って先行、次に福岡第一に並ばれたのち、引き分けが3つ続く大接戦となり、最後は大将同士の延長戦となって、大将・関慶太郎選手が面を決めて勝利した。」と書かれてありました。高校生の熱い戦いが繰り広げられたことを想像すると胸がドキドキしました。

さらに、ページをめくっていくと、「福大大濠父子でⅤつかむ」という大きな記事が出ており、この試合において副将を務めた、大濠高校の森大颯(はやと)選手について次のように書かれていました。「福大大濠の森監督が副将を任せたのは、次男の大颯(はやと)選手でした。副将は、相手の勢いを止め、自らの大将が万全の体制で臨めるようにする重要な役割を担う。福岡第一との決勝戦、互いに一歩も譲らす、副将同士の戦いになった。大颯(はやと)選手は、試合直前、森監督と目を合わせて数度うなずいた。親子と言うより、師弟として。引き分けに持ち込み、その役割を果たし、大将戦で勝利をつかんだ。大颯選手は、相手が強いほど気持ちが燃える父親譲りの性格。抜き勝負の玉竜旗で、副将は、2人、3人と倒して流れに乗る選手と戦うことも少なくない。歴戦の名将は、こうした気持ちの強さが副将にぴったりだと考えていた。迎えた玉竜旗、森監督は全試合で大颯選手に副将を託した。大颯選手は大将相手にも臆せず、すべての試合で負けずに、副将の役割を果たした。」(令和6年7月30日西日本新聞朝刊より引用)とありました。

副将は、大将に対して全幅の信頼を寄せ、後ろに控えている大将に試合をつなげる非常に重要な役割担っています。チームの勝利のためには、引き分け以上、決して負けてはならないポジションにあります。そのため、高い技術はもちろんのこと、冷静で、判断力優れ、プレッシャーに強いことが求められ、精神的に強く、タフな選手が起用されることが多いそうです。

5人のチームで臨む試合において、一人ひとりがそれぞれのポジションで果たすべき役割があり、それぞれがその役割を果たすところに勝利があります。森選手は、接戦が続き肉体的にも精神的にも追い込まれる戦いの中で、副将としての自分の役割を受けて立ち、その戦いに強靭な精神力と集中力で臨み、大将にその試合をつないで、勝利を勝ち取りました。

「つなぎ」の場に自分を置き、仲間を信じて、場面の流れを次に渡していく、おかれた場所をキャンセルしないで、そこにある大きな責任を引き受けて立つ勇敢な姿に、私たちは大いに学びたいと考えます。

2学期は海星祭から始まります。チームの中で、自分が果たすべき役割があります。そして、大きな目標を達成していく「万里一空」のサブテーマは、「Be One」です。福岡海星の発展ために、皆がひとつになって取り組む。一人一人がチームの中での役割と責任を確実に果たすことによって、つかむことができる大きな栄光があります。

本日お読みした聖書の箇所のように、「小さなからし種が、成長して、葉の陰に空の鳥が巣を作れるほど大きな枝を張る」2学期でありますようにと祈ります。

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