お知らせ詳細

講堂朝礼〜生徒へのメッセージ〜

Messages for Students

ミッションウィーク講話Ⅰ「赦し」  教諭 高田俊哉

◆今月の御言葉のテーマは「赦し」です。「赦し」というのは、神様の無条件の愛を反映したも ので、深い慈しみと憐れみの行為です。赦しは、罪を犯した人が真に悔い改めることで、神様の 愛に戻るための道を開くものです。赦しの愛には、以下の特徴があります。1. 無条件の愛 カト リック教会では、神様の愛はすべての人に対して無条件であると教えています。私たちがどんな 過ちを犯しても、神様はそれに関係なく、常に私たちを受け入れ、赦してくださる準備が整って いるのです。2. 和解と癒し 赦しは、関係の修復や心の癒しをもたらします。罪を犯した者が悔 い改めるとき、赦しは神様との和解をもたらし、また他の人との関係も癒されます。3. 憐れみと共感 赦しの行為には、相手の過ちを理解し、その痛みや苦しみに共感することが含まれます。これは、神様が私たちの弱さを理解し、憐れみをもって接してくださることに基づいています 。4. 自己犠牲の愛 赦しには、個人の感情や誇りを脇に置いて、相手を受け入れ、愛を示す自己犠牲的な側面があります。これは、イエス・キリストが十字架上で示された愛の模範に従うことです。このように赦しの愛は神様の慈悲深い心を反映し人々を新たに立ち上がらせ、神様との深い絆を取り戻す手助 けをするものです。


◆心を傷つけられたり、悪口を言われたりするような経験は、皆さんもあるかもしれません。そのような状況にどう向き合うかは、カトリックの教えである愛、赦し、そして忍耐を実践することに基づいています。次のポイントが参考になるでしょう。1. 祈りと内省 まず、心を傷つけた人や悪口を言う人のために祈ることが大切です。彼らもまた、神様の愛を必要としているのです。彼らが自分の行動に気づき、変わることができるように祈りましょう。また、自分の感情や反応を神様に委ね、心の平和を求める祈りを捧げることも重要です。2. 赦しの心 赦しは簡単では ありませんが、カトリックの教えでは、他の人を許すことで自分も許されるとされています。赦しの行為は、自分自身の心の平和を保ち、憎しみや怒りから解放される手段でもあります。ただし、許すことは相手の行動を正当化することではなく、自分自身がその影響から自由になるための選択です。3. 境界を設定する 許すことと同時に、健全な人間関係を保つために境界を設定することも大切です。繰り返し傷つけられる状況に対しては、距離を置いたり、直接的な対話を通じて問題を解決しようと努力することが求められます。相手に自分の感情を伝えることで、お互いの理解を深めることができるかもしれません。4. 忍耐と謙虚さ 悪口や批判に対しては、忍耐と謙虚さを持って対応することが求められます。イエス様は「右の頬を打たれたら左の頬も向けなさい」と教えていますが、これは単に耐えることを意味するのではなく、相手に対する怒りや憎しみを手放し、平和をもって応じることを示しています。5. 愛をもって接する 最後に、カトリックの教えに基づいて、どのような状況でも相手に対して愛を持って接することが求められます。愛は悪口や不正に打ち勝つ力を持っています。優しさや親切心をもって相手に接することで、相手の態度が変わる可能性もあります。


◆このように、カトリックの価値観に基づいて人と接することは、時に難しい挑戦となるかもしれませんが、神様の助けを借りて、愛と赦しの心を保ちながら、良い関係を築いていくことができると思います。キリストの教えである「赦し」を実践するのは、時にはとても難しいことです。友達に傷つけられたり、誤解されたりすると、すぐに許すのは簡単ではありません。でも、キリストが私たちをどんな時でも赦してくれるように、私たちも他の人を許すことが大切です。許すことは簡単ではありませんが、一歩踏み出すことで自分の心が軽くなり、相手との関係も良くなります。みんなで一緒に、少しずつでも赦しを実践していきましょう。キリストの愛と赦しの道を共に歩んでいけるように頑張りましょう。

一覧