「私も人をゆるします」教頭 鶴田葉月
日曜日の海星祭は、皆さん、楽しめましたか?台風10号が福岡を通過したため、準備するはずの2日間がそっくり休校になって、前日から、買い出しやテント設営、リハーサルなど、本当に忙しかったですね。それでも、当日は暑い中、地域の方や卒業生、皆さん自身のご家族やお友だちが、早くから来校されて、盛況のうちに無事終えることができました。来場者は700組近かったそうです。皆さんも、おいしいものを食べたり、お買い物をしたりできましたか?私も、保護者の方がカレーを作ったり、日用品・手芸品を販売したりされるお手伝いをして、本当に豊かな一日になりました。振替休日には、近所の方に、海星祭で買ったお菓子を配って喜んでいただきました。
1年生の皆さんも、初めての海星祭を、クラスや係の人たちと協力し合って活動し、いい思い出にできたことでしょう。任された仕事をメンバーで分担して取り組んだり、とくに面倒くさい仕事を頼まれたときは、おしゃべりや休憩をいったん後回しにして、まずは仕事に集中したりする力が身についたにちがいありません。そして海星祭は、収益が、世界の、小さい人、苦しむ人のために使われるところが、誇らしいですね。昨年度の海星祭は、創立60周年記念の特別なプログラムがいくつもあったのですが、その経験と反省を生かして工夫しながら、今年もチャレンジを続けるところが、海星の生徒の素晴らしいところです。
これまで、学校行事ではあまり活動できなくて、クラスや係のメンバーに申し訳なく思っていた人の中に、今年は勇気を出して新しい仕事にチャレンジしたという方が何人もいたようです。一歩踏み出してみると、緊張するし、忙しいけれど、充実感があったでしょう?さて、今月は、「赦し」というテーマのもと、マタイによる福音書 第6章12節の中から、「私たちの負い目をゆるしてください。私も人をゆるします」というみことばが引用されています。私たちには、こうすべきだという規則や、毎日の決められた活動、頼まれた仕事がありますが、自分に甘かったり、忙しさを理由にしたり、誰かに反抗したかったりして、正しい行いができないことがあります。それでも、神様が私たちをゆるしてくださっているからこそ、台風直撃で、休校もあったにもかかわらず、模擬店の準備や運営、片付けが自分なりに力を尽くして行えたのだと思います。私たち教員にとっても、休校の前日・前々日には中学校と学習塾の先生方をお招きしての説明会を、中止や延期とならずに実施できました。私たちはこれからも、誠実に、次のチャレンジに進みたいと思います。イギリスの聖職者で歴史家のトーマス・フラーという人が、「よい祈りは、どんなにたびたび繰り返そうと、天ではいつも新鮮に受けとめられる。」と言っています。主の祈りは、平和を作る者(ピースメーカー)となるためのお祈りだそうです。私たちにとっては、いちばん身近なお祈りで、海星の卒業生もほとんどの方が暗唱できるようです。大切なのは、自分を振り返りながら心を込めて祈ること。次の目標に向かって、誠実に、穏やかな心で、進みましょう。