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「望みと喜び~クリスマスが近づいて~」 

 年末が近づき、一年を振り返るころとなりました。創立60周年を超えた海星の行事や授業、部活動・生徒会活動の内容は、伝統を大切にしながら、同時にバラエティー豊かになってきています。皆さんにとって、今年も、きっと多くの、海星ならではの出会いと学びがあったと信じます。私自身も、先週の宗教講演会は、海星の教育について改めて考える機会になりました。この講演会では田尻由貴子先生と宮津航一先生をお招きしてお話をうかがいましたが、保護者の方、カトリック学校の先生方、卒業生である近隣の方も来られていた中、皆さんの聞く態度、感想文に取り組む姿勢はとてもすばらしくて、私は心から誇らしく感じました。

 ちょうど今は、クリスマスを意識する時期で、教室のリースをはじめ、各所で飾られたツリーや馬小屋、ポインセチアの鉢を、私もうれしい気持ちで眺めながら、授業に行ったり、生徒の皆さんと毎日のお掃除をしたりしています。今月のみ言葉は、ルカによる福音書第2章11節から、「今日、ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。」です。「望みと喜び」のテーマのもと、意向の一つには、「18歳のわたくし(生徒手帳p4)」の「まわりに支えられていることを自覚し、他を大切にしつつ自分を素直に表現することができます。」が添えられました。宗教部が準備して下さった掲示物の美しいこと。

 さて、講演会で宮津先生が、シスター渡辺和子先生の「置かれた場所で咲きなさい」という言葉を引用されています。私は初めて担任した生徒さんから、卒業式の後、シスターの『愛することは許されること』という本をプレゼントされました。本の中で、シスターが、アメリカでこどもたちに、「善い行いをして、それを一本の藁として、布団の綿として、馬小屋で生まれるイエス様にお捧げしましょう」と教えたエピソードが書かれています。出産というのは、最新の施設設備と訓練されたスタッフ、そしてお母さんの健康と十分な心構えがあって、それでも、命がけの大変なことです。皆さんも、もし将来、そのような立場になったときには、暖房もない冬の馬小屋で出産して、そのあと新生児を飼い葉桶(家畜の飼料・餌を入れる桶)に寝かせるということが、どれほど危険で不安で、あり得ないことかわかると思います。イエス様のお誕生がそのような環境だったことと、こうのとりのゆりかごで多くの赤ちゃんが守られ続けていること。クリスマスには、そういうことにも心を寄せてほしいと思います。人の成長のスピードはそれぞれですから、今は気づかなくても、自分が守られ支えられていること、そして海星で過ごす毎日が、実に愛すべき宝物なのだとわかってくれることを期待しています。

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