「私にとっての小さな者」教頭 鶴田葉月
教頭:鶴田葉月
9月のテーマは,「関心を持つ」です。
そして学んでいる聖書のみ言葉は,マタイによる福音書第25章40節「わたしの兄弟、しかも最も小さな者の一人にしたことは,わたしにしたのである。」です。
9月は猛暑に苦しむ夏がやっと終わって安心する間もなく,大きな事件や災害が起きて,記憶に残ります。2001年9月11日ニューヨークの同時多発テロ事件は、とても現実とは思えず、震えが止まりませんでした。
2018年9月6日の北海道胆振東部地震が起きたのは、海星の2年生が一週間後に北海道への修学旅行を控え,しおりも手元に届いて,どこで誰のお土産を買うか、とか、札幌の自主研修で夕食はどのお店のラーメンにするか、など楽しい計画でもちきりの頃でした。
今、脅威は新型コロナウイルス感染症ですが、学校行事や研修は新たな工夫の中で行われています。
海星祭予約販売では、生徒会役員の方たちが、楽しみにしている人たちの顔を思い浮かべながら品物の仕分けと袋詰めをしてくれました。生徒会の皆さん、そして協賛金や予約販売、日用品提供に協力してくださった生徒保護者のみなさま、ありがとうございました。
愛校バザーは、海星創立以来、9月の実施と決まっています。1学期に模擬店の内容と担当する係を決めて、ポスターやしおりを作成し、夏休みの間に日用品を準備したり、手芸品を作ったり。ゲームを企画するクラスでは、近所の店などにお願いして景品になるような粗品をいただいて来ました。焼き鳥・焼きそば・唐揚げ・フライドポテトにクリームソーダなど食品を作って売るクラスは、夏休みに試作を行います。コロナ感染の心配もなかった頃、卒業生・家族・親せき・中学時代のお友達や近所の方も来られたので、それはにぎやかな一日でした。
今年、夏休みに入って間もないころ、ある卒業生の保護者の方から、愛校バザーについての問い合わせがあったとき、私は、残念ながら、コロナで、外部の方をお招きできないことをお伝えしました。娘が高校時代、愛校バザーでどんなに多くを学んだか…親も調理や駐車場の係としてボランティアで手伝いながら、充実した一日を過ごした…そうやって収益は、世界の、顔も見たことがない人、悲しみの中にいる人に,送金できた…それは有意義な一日だったとその方は話してくれました。
私たちにとっての小さな者とは、誰なのでしょう。意識しなくても、ちょっとした親切ができた、その相手なのではないでしょうか。あまりにさりげなくて、自分ではすっかり忘れていたら、相手から「あの時は、ありがとう。」と言われる、そんな一瞬、私たちは小さな者を見つけて、天に宝を積んでいるのだと思います。
私にとって、今日の小さな者は誰なのか。私も、皆さんも、学校、家庭など身近なところにいる小さな者に気づける一日でありますように。