「共にいる」 シスター 入江 純子
テーマ 共にいる
「恐れるな、わたしはあなたと共にいる。」
「イザヤ書」第43章5節
春一番の大風が吹き、創立60周年を一緒にお祝いした先輩たちは、元気に卒業して次のステップに向かって一歩を踏み出しました。きっと新しい人との出会いによって、新しい自分と出会うでしょう。1・2年生の皆さんには春休みが待っています。最上級生になる高2の皆さん、新入生を迎える高1の皆さん、喜びと期待をもって心の準備をし、新学期を迎えましょう。
今、世界のあらゆるところで戦争が続いています。多くの人が犠牲になっています。いつ終わるか分からない恐怖の中で、小さな子ども達は声を出さなくなったと放映されていました。大きな声を出してはしゃぎたい年齢の子ども達が、恐れのため声が出ないのです。恐れによって、自分の存在をも確認できないのでしょう。頼るものが何もない、先が全く見えない、考える気力もない、やっぱり声を失いますね。そのような時、「恐れるな、わたしはあなたと共にいる。」とイザヤ預言者は叫ぶのです。この「わたし」とは、どなたでしょうか。
今年は、3月31日が主のご復活祭です。
2月のテーマで、キリストが十字架にかけられてご死去され、3日後にご復活された話をしました。そして40日後にご昇天されました。その時、私たちに残された言葉があります。「わたしは世の終わりまで、いつもあなた方と共にいる。」(「マタイによる福音者」第28章20節)
「わたし」とは復活されたキリストです。この私と共にいたいのですというキリストの想いです。ご自分の方から、愛して創られた私に近づいてこられるのです。キリストにとってこれほど大事な私です。このことを知った私は、誰と共にいたいですか。幾世代にもわたって私と同じ人はいないのです。一品者である私は、このキリストの想いに私流で応える私でありたいですね。
昨日の私に今日の私が予見できなかったように、今日の私には明日の私はまだ見えていない。ですからキリストが信頼してくださっている今日のこの時の私を生きる。一番身近にいて、大好きな共に生きるわたしの相手はどなたでしょうか。
シスターは今、昨年のクリスマスに馬小屋に飾ったシクラメンとポインセチアを自室のベランダに持ってきて水をかけています。シクラメンは元気に花をつけていますが、ポインセチアは30センチほど残して切り落としました。今年のクリスマスにはそれらしきものになるかなァ、と思いながら世話をしています。今日は咲かなくても、明日は咲くかもしれない、きっと咲く。そのように信じ、希望するところに、まだ咲かぬ花の命へのいとおしさが生まれます。
私たちは神様から信頼され、希望され、愛され、開花する命を与えられています。小さな野の草花であっても、神さまを賛美する存在になりたいですね。
シスターひとこと
「愛をもって真理にむかう」あなたたちは、どんな花を咲かせるかな。
水をかけて、優しく声をかけてくださいね。