そのままのあなたでいいんだよ
教 頭 松本 裕子
クリスマス会
〇12月9日は、クリスマス会でした。今年は、保護者のみなさまの参加人数の制限がなかったため、お子さまと共に静かな時間を過ごされたことでしょう。いかがでしたか。音楽クラブのハンドベル「ジングルベル」の演奏で始まり、西新カトリック教会の山元眞神父さまのお話を聴きました。神父様は、「神様も私たちにお願いをしていますよ。『どうぞ、世界を平和な世の中にしてください』と。
〇その後、5年生による聖劇「4人目の博士」を観ました。この4人目の博士の名前は、アルタバンという若い博士のお話です。みなさんが知っている博士は3人です。マリアロビーに飾られている博士も3人しかいません。 しかし、実はイエス様のご誕生をお祝いし、ベツレヘムへ拝みに行った博士がもう一人いたのです。彼は他の博士に比べて貧しく、イエス様に捧げる宝物がありませんでした。そこで、自分の家を売って宝物を準備していたために、出発が遅れてしまいます。その後の旅のお話は、5年生が演じてくれた通りです。
〇アルタバンはイエス様と会うことができたのでしょうか。聖劇では、3人の博士と一緒にイエス様を拝むことができましたが、実は会うことができませんでした。アルタバンの旅は30年余り続き、イエス様の最期にも間に合いませんでした。アルタバンは悲痛にくれ、生きる力も失くします。そんな時、イエス様の声を聴きます。「お前がしてくれたことは、わたしにしてくれたことなんだよ。わたしは、お前に何度も会っているじゃないか」アルタバンは、イエス様の声を聴いて、安心して息を引きとります。
〇校長先生からは、「みなさんがクリスマスに向けて素晴らしい取り組みをした『やさしさ』をぜひ、行動で表してください」と話されました。アルタバンの行動と重なります。あなたの「やさしさ」のプレゼントが世界中に広がりますように。
自己肯定感
〇本校では、毎月「なかよしアンケート」を実施しています。クラスの友達関係や子どもたちの困っていることなどの早期発見が目的です。そのアンケートの質問の項目に「あなたは自分が好きですか」と4段階で答えるところがあります。一番低い「1」と答える子どもが気になります。その子どもたちは自分に何かしらの劣等感をもっています。「自分はダメな子なんだ」と思い込んでいます。
〇イエスのご降誕の知らせの場面を思い出してみましょう。み使いがイエスのご降誕を一番に知らせたのは、「羊飼い」でした。どうして、地位や身分の高い人ではなかったのでしょうか。子どもたちは考えます。
ここに、神さまのメッセージがあります。当時の「羊飼い」は、家を持たず、羊の餌を求めて牧草地を旅する生活でした。毎日お風呂に入ることもできず、貧しい生活をし、みんなから蔑まれていました。そんな「羊飼い」に神さまがスポットをあてたのは、「そのままのあなたでいいんだよ」「あなたには、他の人にないタラント(タレント・能力やよさ)をもっているんだよ」というメッセージです。神さまの「受容」の愛です。
○自己肯定感の低い子どもたちには、「受容」「傾聴」「共感的理解」によって「自分にもできそう」「やってみよう」と導くことが大切だと思います。
おはなしやさん
○今学期最後の「おはなしやさん」がアシジハウスでありました。ボランティアの保護者の方による読み聞かせは、子どもたちや教員のわたしたちにとって至福の時間です。アシジハウスでの読み聞かせは、海星のルーツの資料が展示されている空間に絵本や書籍が並んでいます。ステンドグラスから差し込む木漏れ日の中、やさしいお母様方の「クリスマス」のお話が心地よく子どもたちの心に入っていきます。ボランティアの保護者のみなさま、いつもありがとうございます。 今年も心穏やかにご家族のみなさまと「世界の平和」をお祈りしながら、よいクリスマスが迎えられますように。