クリスマスを迎えましょう
校 長 山田 耕司
○ 12月3日は、カトリック(キリスト教)教会の元旦です。教会では、この日から１年が始まります。クリスマスの４つ前の日曜日がその日に当たります。教会の祭壇の前には、４つの大きなろうそくが用意されます。日曜日ごとにそのろうそくが１本ずつ点灯されます。イエス・キリストのご誕生をお迎えする準備をします待降節(アドベント)が始まりました。
海星小学校ではすでにアドベントに入り、11月30日には「JOY俱楽部クリスマス・コンサート」を行い、12月9日には「クリスマス会」を催します。どうぞお出かけくださいませ。
○ 世界はウクライナ侵攻やガザの衝突にゆれています。 それでも、福博の街中にはイルミネーションが輝き、クリスマス商戦が華やかです。行き交う人々の横顔が、暗さを増す世相の中、明るい光が自分の家族に、皆に灯るようにと願っているように感じられます。
○ クリスマスには、様々なエピソードがあります。私の思い出は、中高大学生のころ寒風の中、中州の大橋に立って呼びかけたクリスマス街頭募金と、パナマ、ロンドン、パリやザルツブルグの荘厳なクリスマスミサです。いつも家族が一緒でした。
○ ルカの福音書をご一緒に読んでみましょう。
さて、羊飼いたちが、その地方で野宿をして、夜通し羊の群れの番をしていた。すると、主の使いが羊飼いたちの側に立ち、主の栄光が羊飼いたちを覆(おお)い照らしたので、彼らはひどく恐れた。み使いは言った。「恐れることはない。私は、すべての民に及ぶ大きな喜びの訪れをあなた方に告げる。今日、ダビデの町に、あなた方のために、救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。あなた方は、産着に包まれて、飼い葉桶に寝ている乳飲み子を見るであろう。これがしるしである。」すると、突然、み使いに天の大軍が加わり、「いと高き天においては神に栄光、地においてはみ心にかなう人々に平安」と、神を賛美した。み使いたちが離れて天に 去った時、羊飼いたちは、「さあ、ベツレヘムに行って、主が知らせてくださったその出来事を見て来よう」と互いに語り合った。そして、急いで行き、マリアとヨセフと、飼い葉桶に寝ている乳飲み子を捜しあてた。それを見て、羊飼いたちは、このみどり児(ご)について自分たちに告げられたことを、人々に知らせた。羊飼いたちが語ったことを聞いたものは皆、不思議に思った。しかし、マリアはこれらのことを、ことごとく心に留めて思い巡らしていた。羊飼いたちは、見聞きしたことが、ことごとく自分たちに告げられたとおりであったので、神をあがめ、賛美しながら帰った。
○ イエスの一生は、馬小屋の飼い葉桶での誕生で始まりゴルゴダの丘の十字架の上で終わる33年の数奇な生涯ととらえられます。真に、神の豊かな愛が神の子イエスを人として遣わされました。イエスがその生き方を通して神の愛を示されます。その愛は、物による豊かさや乏しさとは関係なく、すべての人に希望と共に生きる力を与えて下さる愛です。人は誰からか心を寄せられている、一人ではないと言う実感がある時、喜びを感じ、安らぎ、癒され、幸福感をもち、生きる力になります。イエスは孤独なあなたの側にいつも居てくださいます。あのマザーテレサが、インドの路上で倒れている人々を、抱え癒しの家に連れて行きベッドに横たえ、その人の臨終の時まで共に過ごした姿に重なります。
○ 私を苦しみから救って下さる。私の苦しみを共に味わって下さる。友がすべて去り、家族から見放され、一人孤独に苛まれている私。もうどうすることも出来ない。生きていくことが苦しい。そんなすべての人に希望と共に生きる力を与えて下さる。イエスの誕生を迎えるに今の自分でいいのだろうか。自分を見つめ直すアドベントです。
戦禍の地の方々や路上生活者の方々の上にも神の愛は豊かに降り注ぎクリスマスがやってきます。
○ 小学校では、マリア・ロビーに児童会によって募金箱が設置されました。全世界80ヶ国で活動するマリアの宣教者フランシスコ修道会の事業に寄付されます。子どもたちの小さな行為が遠くアフリカの地で人の命を救う灯となります。
クリスマスは、なぜかどの人もやさしくなれる日です。家族でケーキを食べたりプレゼントの交換をしたり、幼い子にはサンタクロースも訪れます。イエスが最も貧しい馬小屋を誕生の場に選び、最も貧しく蔑視をされていた羊飼いたちを誕生の場に招かれたことに学び、「隣人に心のプレゼントをしましょう」と、山元神父様は子どもたちに教えます。あなたにとって、隣人はだれですか？