校長室からMessage

あなたのクリスマス

校 長 山田 耕司

いろいろなクリスマス

〇 12月10日は、海星小学校のクリスマス会です。
山元 眞神父様(カトリック西新教会)司式の「みことばの祭儀」と共に5年生による聖書の記述に基づく「聖劇」が公演されます。その天使の衣装を後援会OBの方々と保護者有志の方々が手縫いで新調してくださいました。

〇 アンデルセンの「マッチ売りの少女」、ディケンズ の「クリスマスキャロル」、映画では「戦場のメリークリスマス」や「34丁目の奇跡」、「ホームアローン」を思い出します。
 皆様のご家庭では今年はどんなクリスマスを予定されていますか。

ロンドンでのクリスマス

〇 私のクリスマスの思い出の一つは、ロンドンでの最初のクリスマスです。次男と二人で過ごしました。

14日:中学1年生男子を引率して老人ホームへクリスマスキャロルを歌いに行きました。
16日:中学2年生女子を引率して地元のデェイケアセンターへクリスマスキャロルを歌いに行きました。
23日:バービカンホールで黒人音楽「ゴスペルクリスマス」を聴きました。
24日:16時よりセントポール大聖堂(チャールズ皇太子とダイアナ妃の結婚式の教会・アングリカンチャーチ)へ。少年聖歌隊を中心とする8つのクリスマスキャロルと6つの聖書朗読がありました。

21時より地元のウエストアクトン教会(カトリック・アイリシュ系)でミサに与りました。聖歌はアングリカンと同じでした。流石キリスト教のエキメニズム運動が進む英国だなと感じました。
 帰宅後台所に2人で立ち料理をしました。さしみ3種(英国はマグロの大トロもイワシも同じ青魚扱いで同じ値段です)と天ぷら5種、みそ汁にワイン。
 よいクリスマスを送りました。

4人目の博士の物語

〇 イエスの誕生を祝うために東方の国から3人の博士が黄金・乳香・没薬を持ってやってきたことはご存知でしょう。実は4人目の博士が居たというお話です。
 その男の名はアルタバン。彼は全財産を売り払ってキリストへの贈り物にするために3つの宝石を手に入れます。サファイア・ルビー・真珠です。
 アルタバンは、3人の博士との約束の集合場所に急ぎました。向かう途中、ある村で重い病気にかかった人に出会います。彼は、そのまま通り過ぎることができません。応急手当をし、十分な食料とお金を与えます。笑顔になったその人を残し約束の場所に到着しますが、3人はすでに砂漠に旅立った後でした。食料もお金も使い果たしたアルタバンは、仕方なくサファイアを売ってらくだを買い、後を追いかけます。

〇 3日遅れてベツレヘムに着いたアルタバンは、一人の母親からこの3日間の不思議な出来事を聞きます。
その出来事の主、家畜小屋で生まれた赤ちゃんと両親は、すでにエジプトへ発った後でした。
 その時、ヘロデ王の命令「2歳以下の赤子を皆殺しにせよ」を受けた兵隊たちがその家にもやって来ます。恐怖におののく母親と赤子を隠し、アルタバンは「ここには誰もいない」と隊長にルビーを差し出しました。隊長はルビーをひったくると次の家へと立ち去って行きました。こうして一人の赤ちゃんの命が救われました。
 そして、アルタバンは、エジプトへと道を急ぎましたが、救い主の家族を、とうとう発見することはできませんでした。

〇 いつしか33年の月日が経ちました。アルタバンは年老いていました。エルサレムの街角に立っていました。その時、民衆の声を聞きます。
「ナザレのイエスが処刑されるぞ」
「自分を神の子だと称したあの男か」。
それを耳にしたアルタバンは、自分が一生旅をして探していたお方は、この方だと悟ります。
 最後の宝石、真珠を手に処刑場に向かいます。この真珠でイエスが処刑から救われるかもしれないと期待したからです。     

〇 しかし、丁度そこに若い娘が引きずられていく所に出会いました。娘と目が合いました。娘は必死に救けを求めました。
「お助けください。父は死に、私は父の借金のかたに奴隷に売られていく所です。」
 迷いながらもアルタバンは、最後の宝石、真珠を布袋から取り出しました。
「さあ、これをあなたの身の代金としてあげよう」  

〇 その時、空を闇がおおい、稲妻が走り、大きな揺れが大地を襲います。娘を捕えようとしていた者たちは、恐れて蜘蛛の子を散らすように逃げていきました。屋根瓦が何枚も何枚も落ちてきてアルタバンの額を割ります。娘がアルタバンを抱き起すと、どこからか美しい声が響いてきました。
「私の兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、私にしてくれたことなのである」
その声にアルタバンは答えます。
「いいえ、主よ。私は33年間あなたを探し求めましたが、一度もあなたにお会いできませんでした。あなたのお役に立ったこともありませんでした。」 

 すると、またあの美しい声が聞こえてきました。
「はっきり言っておく。私の兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、私にしてくれたことなのである」(マタイ25・40)
アルタバンの顔は笑みに輝き、安らかに息を引き取りました。

あなたのクリスマス

〇 救い主イエス・キリストを探し求めていたアルタバンは、ずっと以前からイエスに出会っていました。
 はじめは瀕死の病人の姿で、二度目は殺されようとした赤ん坊の姿で、三度目は売られていく娘の姿で。
 神様にとって、そのような「小さい者」にしたことは、自分にしてくれたことと同じです。   

〇 私たちもどこかでイエスに会っているのでしょう。
キリストの誕生を待つアドベント(クリスマスの準備をする4週間、今年は11月27日~12月24日)は、意識して「小さい者」に愛の贈り物を捧げる期間にしたいものです。
 因みに海星の小学生と高校生は善行をしたり募金をしたりします。
 そして、最も素晴らしい贈り物を神様が人間にくださったクリスマスを迎えましょう。
 12月24日(夕方~深夜)と25日(日中)に福岡市と近郊の教会でクリスマスのミサがございます。どなたでも参列できます。

後日、詳細をお知らせいたします。
よろしければどうぞお出かけください。
特別のクリスマスがあなたを待っているでしょう。(了)


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