校長室からMessage

やさしさ

教 頭  松本 裕子

慰霊ミサ

〇 先週の11日(金)に学院講堂にて「慰霊ミサ」が老司教会の大山 悟神父様の司式のもと執り行われました。
 海星ファミリーの亡くなられた方々のお写真が祭壇横に並べられ、子どもたちと共にミサに与かりました。
 大山神父様から「亡くなったいのちは永遠につながり、いまここに共にいらっしゃいます。だから、『死』は怖い事ではなく、次に『生きていく』のです」とのお話がありました。
ミサ後の子どもの感想には「『死』が『生きること』につながっているとは知りませんでした。いのちがつながっているので、感謝したいと思いました」とありました。静かなお祈りの中で一人ひとりの子どもたちが、「今ここにいる自分」を見つめることができた時間となりました。
保護者の皆様には、亡くなられた方のためにきれいなお花をたくさんいただきました事、心より感謝申し上げます。この海星ファミリーのやさしさが天の国に届いたことでしょう。

 貧しい人は幸い

〇 聖書の『山上の垂訓』(マタイ5章~7章)の中に8つの幸せのみ言葉があります。そのひとつに「心の貧しい人は幸い」というみ言葉があります。子どもたちは、「貧しい」と聴くと貧乏や食べるもの、着るものがないと想像します。子どもたちのみ言葉作文にも「どうして、貧しいことが幸せですか。よく分かりません」「自分はお金持ちが幸せだと思います」など、素直な気持ちが書かれています。私自身も最初にこのみ言葉を読みましたときは、よく理解できなかったことを覚えています。イエス様がおっしゃる「貧しい」とは、自分の心が曇っていない、欲や雑多の思いでいっぱいになっていない人のことです。透明な心の中に神様からの聖霊が宿ります。

〇 「透明な心(ピュアな心)」・・・現代の社会で生きている私たちには、難しいことかもしれません。だからこそ、毎日の生活を立ち止まって自分を振り返る時間が必要です。それこそ「祈り」の静寂の時間ではないでしょうか。「忙しい」は「心を亡くす」と書きます。子どもも私たち大人も「忙しく」過ごしていませんか。そこに「やさしさ」は生まれません。人間の物差しではなく、神様の物差しを私たちは聖書を通して教えていただいているので、神様の愛を受け止める「心の貧しい人」でいたいと思います。それが幸せにつながるのです。

 子どものおもい

〇 「無理やし」「できなくてもいいです」「めんどくさい」とすぐに諦めてしまう子がいます。「本当にそうおもっている?」と子どもの真意を聴き出そうと聴き返しても、話が続かないことがあります。諦めてしまう子の中には、「どうせやっても無理。どうせできないし」と何度もチャレンジしたけど失敗してできなかった悲しい経験が隠れていることがあります。その結果、自信を失い、諦めてしまうのです。まずは、その子のつらい気持ちや悲しい気持ちを受け止めてあげることが大切です。私たち大人はその子どもを「すぐ諦める子」と捉えるのではなく、「これまで何度もチャレンジしてきた子」「心のエネルギーが充電できればまたチャレンジできる子」と捉え、環境を整えてあげることです。焦らず、その子の本来持っている力を信じて待ってあげましょう。子ども自身が自分に合った目標を設定し、スモールステップで進んでいけるはずです。そうすることが自律(自立)へと促進していきます。

〇 マラソン大会は、スピード賞と目標タイム賞があります。
まさに、最後まで諦めずに自分のペースで目標を達成する成功体験を味わってほしい行事です。
私たち大人は、子どもを信じるやさしさを持ちたいものです。

 来年度に向けて

〇 今年度から海星の制服にキュロットスカートとスラックスが仲間入りし、冬服から数名の子どもたちが利用しております。現代に即した制服を取り入れながら、海星の制服の由来(フランスのガールズスカウトをイメージして作られた) を大切に身だしなみを整えてください。海星は、120余年前にハンセン病者を友とした5人のシスターのやさしさによって始まった学校です。制服に誇りをもってください。

〇 3年間、スクールバスの運行を4便から3便に減便し、新型コロナウイルス感染症の対策をして参りました。保護者の皆様のご理解とご協力に感謝申し上げます。                                      

 来年度に向けて、従来の4便に戻す方向でコースの見直しも含め、現在調整中でございます。後日、希望調査をさせていただきます。スクールバスの運行も大事な広報活動の側面を担っておりますので、一人でも多くの方が利用し、安全に登校できるように尽力してまいります。

一覧