校長室からMessage

いのちから愛へ

教 頭 松本 裕子

〇 第49回生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。今日のあなたたちの姿は、とても立派でした。きっと在校生も憧れの気持ちをもって、この卒業式に参加したことでしょう。卒業証書を校長先生から一人ずついただく姿を見ながら、6年間の一人ひとりの思い出が走馬灯のように浮かび、感慨深く、成長を感じる時間でした。

〇 昨日、前校長先生であるSr.入江とリモートで6年生が交流をしました。毎年、修学旅行で「海星のルーツを探る旅」として長崎へ行きます。最終日には熊本の修道院を訪れますが、今年も新型コロナウイルス感染症の蔓延で熊本へ行くことができませんでした。そこで、リモートでSr.入江にお話を伺いました。

 お話の中で5人のシスター方のことを話してくださいました。熊本でハンセン病に苦しんでいる人たちを助けてほしいとコール神父様から依頼があった時、1000人のシスター方が希望しました。その中で看護の資格もない、日本語も話せない、ただ最も弱い立場の人を助けたいという「愛」の気持ちだけを持った5人のシスター方が「はい」とお答えになり、ローマから船で1か月かけて熊本に来られました。言葉が分からないシスター方は、イエスが弟子たちの足を洗ったように、まずハンセン病の人たちの足を洗い、自給自足の生活が始まりました。

 本校の教育目標である「愛をもって真理に向かう」という言葉の「真理」とは、神さまのことを知るということ、神さまに出会うということです。つまり、5人のシスターが行ったように「愛」を持っていれば神さまのことを知り、神さまに出会うことができるのです。「愛」するということは、その人や物を大切にするということです。

〇 これから中学校へ進んでいくみなさんは、いろいろなことを経験するでしょう。時には苦しいことや辛いことあるでしょう。中学校で友だちができるか不安な人もいるかもしれません。
そんな時に「はい」と何でも受け入れましょう。「はい」という言葉は、道が開ける言葉です。だから「はい」と言いましょう。道が開け何かが見えてくるはずです。

〇 2020年に教皇フランシスコ様が日本を訪問された際「すべてのいのちを守るためのキリスト者の祈り」を唱えられました。
 その中に「あなたがお造りになったすべてのものをご自分のやさしさで包んでくださいます。無関心を遠ざけ、貧しい人や弱い人を支え、ともに暮らす家である地球を大切にできるよう、わたしたちの役割を示してください。」とあります。私たちは、神さまから造られた者。神さまが造られた地球の中の一人です。神さまがいつも優しく私たちを包んでくださっていますが、その「愛」に気づかなければ、今、戦争を起こしている国のようになります。すべての「いのち」を守るために私たちにできる役割を神さまに祈ることができます。平和の道具として遣わしてください。

〇 先週8日に行われた「感謝のミサ」の中で、大山神父様がコンビニで出会った女の子のお話をされました。神父様がレジで並んでいると先頭のおばあ様が200円のお金が不足して困っていらっしゃいました。すると、その後ろに並んでいた女の子が自分が持っているお金を差し出し、買うつもりだった品物を返し、去って行ってしまいました。おばあ様はお礼を言う暇もありませんでした。
 その女の子の行動は、目の前で困っている人を助けた「愛」の行いでした。今、私たちができることから始めましょう。行動しましょう。そのためには、がまんも大切です。翌日、本校4年生の男の子が「ウクライナの困っている人のために募金をしたいです」と早速、行動をしてくれました。

〇 今年、私共の修道会のつくった熊本の慈恵病院で「内密出産」が話題になりました。戸籍の問題など社会の法律を変えるほど大きな一石を投じました。
蓮田院長は言います。「只ただ、目の前のいのちを助けたいだけです」と。この行動が社会を変え、子どものいのちを助けました。

〇 令和3年度も数日で終わります。この1年間保護者のみなさま方にはたくさんのご理解とご協力を賜りましたこと、心より感謝申し上げます。学院の創立者マリー・ド・ラ・パッシオンが「最も立場の弱い人、貧しい人のために働きなさい」という指針のもと、この福岡に海星を設立されました。この1年間を通して、たくさんの「いのち」について考える機会をいただき、それがカトリック校が大切にしている「愛」や「一致」に繋がっていることに改めて気づいた年でした。

〇 4人の先生方とのお別れは大変辛いのですが、先生方の今後のご活躍とご健康をお祈りいたしております。
 18日は、修了式です。今年1年間を振り返り、自分の行いを回心できる春休みになるといいですね。どうぞ、有意義な春休みをご家族みなさまでお過ごしくださいませ。

 

【すべてのいのちを守るためのキリスト者の祈り】

  宇宙万物の造り主である神よ、

  あなたがお造りになったすべてのものを

  ご自分の優しさで包んでくださいます。

  わたしたちが傷つけてしまった地球と、

  この世界で見捨てられ、忘れ去られた人

  々の叫びに 気づくことができるよう、

  一人ひとりの心を照らしてください。

  無関心を遠ざけ、貧しい人や弱い人を支

  え、ともに暮らす家である地球を大切に

  できるよう、わたしたちの役割を示して

  ください。

  すべてのいのちを守るため、よりよい未

  来をひらくために、聖霊の力と光でわた

  したちをとらえ、あなたの愛の道具とし

  て遣わしてください。

  すべての被造物とともに

  あなたを賛美することができますように。

  わたしたちの主イエス・キリストによって。

  アーメン。

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