出会いとお別れ
校 長 山田 耕司
呼子天主堂で
〇 2月5日は日本26聖人殉教者の記念日です。豊臣秀吉のキリシタン禁止令に伴い京都方面で捕縛されたキリシタン(神父・修道士・信徒)が極寒の中、京都から途中、博多・唐津・名護屋(呼子)を経由して長崎まで連行されました。冬のある日、寒さに誘われ唐津・呼子を訪れました。朝市が賑わう呼子の対岸に殿ノ浦があります。そこの狭い山道を上がった名護屋浦を見下ろす丘の上に呼子天主堂がひっそりと建っています。
○ 呼子は江戸前期から玄界灘捕鯨基地の一つで平戸や五島から漁師が集まってきました。その中に多くの潜伏キリシタンがいました。沖合の馬渡島や松島にも彼らが村を構成しています。昭和に入り開拓のために五島や外海から移住してきた信徒が増えたころ、鉄川与助の監督で馬渡島天主堂を呼子の地に移築します。この天主堂は明治14年に馬渡島新村(キリシタンの村)に建てられたもので海風に耐えられるよう天井がかなり低くなっています。なんと140年前の木造建築です。
○ 天主堂に入りますと、まるで時間が止まったように感じます。静寂です。明治以来何人の方々がこの祭壇の前に跪かれたのでしょう。神と出会い、神と話され神の言葉を聴かれたのでしょう。
コロナ禍に包まれた今、新型コロナウイルスは変異を続け、子どもたちの感染を拡大していきます。
私はこれまでの学校のこと子どもたちのことをふり返り、これからのことを祈り続けました。
4人の先生とお別れ
○ 今月末で4人の先生がご退職されます。
岡﨑陽子先生、平成9年より25年間のご勤務です。本離れが進む不幸な時代に子どもたちは直面しています。どの小学校にも図書室があり年間50万円程度(児童数400人)の図書費が充当されます。(本校は70万円)通常は国語の先生が司書を兼務します。PTAの委員会活動の一環で「読み聞かせ」を行う学校もあります。本好きの子どもを育てる司書教諭の役割は大変重要です。「海星100冊」「2年生100冊」「おはなしやさん」は岡﨑先生のご功績です。読書好きの子どもたちがたくさん育ちました。「読書の海星」をつくっていただきました。
〇 英語専科の武内章子先生、平成20年より14年間のご勤務です。児童英語指導の豊かな経験を活かしエリングソン先生と共に楽しい英語の時間を創っていただきました。「3年生の英語劇」今年は3匹の子ブタでしたね。インドネシアの「レジナパシス・ジャカルタ小学校との姉妹校交流」もスタートさせていただきました。武内先生による「英語の海星」の充実発展です。
〇 松永吉海先生、平成22年より12年間のご勤務です。
小学校図工科教育研究者、少年科学文化会館指導員等、豊かな経験を下に図工専科として芸術性あふれる表現教育にご尽力いただきました。本校のカトリック性を活かしたご指導は、隣接するマリア幼稚園の絵画教室にも及びました。
〇 剣道の宮下健一郎先生、平成23年より11年間のご勤務です。少年剣道指導を極めるため、ご自身も昇段試験に挑まれ6段にまでなられました。
〇 4人の先生方は、ご家庭の事情により本年度をもってご退職をされます。誠に残念なお別れですね。長い間本校のため本校児童のために、たくさんの愛情を降り注いで頂きました。ありがとうございます。これからも海星ファミリーの一員としてどうぞよろしくご交誼くださいませ。神様の豊かなお恵みをお祈りいたします。
出会い
〇 2月26日、新1年生の保護者説明会を行いました。期待に満ちた保護者の方々の視線が眩しかったです。春には35名の新入生を迎えます。また、新たに3人の先生方をお迎えします。楽しみですね。コロナ禍は、なかなか終わりが見えません。一方、子どもたちは成長していきます。さらに創意工夫した学校教育・学校生活・学校行事を企画し臨みます。その準備を始めております。