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ことばと行動

 教頭 松本 裕子

農村宿泊体験学習

〇 10月6日・7日の1泊2日でうきは市へ5年生と「農村宿泊体験学習」に行って参りました。うきは市とは、14年前から交流をしております。今年は、2年ぶりに海星の「愛校バザー」にも来ていただき、うきはの新米とお野菜を販売していただきました。

 5年生は、コロナ禍のため宿泊体験が2年ぶりとの事で、友達と過ごす時間や見学の時間をとにかく楽しみました。

〇 1日目は、うきは市の「耳納の里・JAにじ」で選果場の見学と収穫体験を行いました。選果場では、オートメーション化された施設でトマトや柿の出荷の様子を見学しました。その後、収穫体験では、柿やサツマイモ・里芋を収穫しました。柿は枝のすぐ下をハサミで切り、柿のヘタのすぐ上をもう一度切ります。これを「2度切り」といい、柿を出荷する際、柿の実を傷つけないようにするためだそうです。そして、畑に移動し、サツマイモを一人ひと苗ずつ掘ります。苗から伸びた蔓には5~8個もサツマイモが実っていました。みんなサツマイモを傷つけないように周りからそっと掘って収穫しました。里芋は、親芋の周りに子芋はたくさんついており、これもなかなか見ることができない収穫となりました。収穫体験後には、野菜の勉強です。野菜は、大きく「果菜類(きゅうり・かぼちゃ・ナス・トマトなど)」「根菜類(大根・にんじん・ごぼうじゃがいもなど)」「葉茎菜類(白菜・キャベツ・ねぎ・たまねぎなど)」の3種類に分けられることを学びました。

〇 JAにじを後にし、次はうきは市の歴史を学びました。うきは市は、博多湾から直線状に続く場所であり、大陸からの侵略に備える場所だったようです。当時の大和朝廷が、勇猛な実力者を配した場所で、たくさんの古墳があります。日岡古墳や月岡古墳、珍塚古墳、原古墳を見学しました。古墳の壁画に描かれた装飾壁画は、色鮮やかな朱色で太陽や月、船、人、蛙(当時神の遣いとされていた)などが描かれ、古代人の想いがことばではなく壁画から伝わってきました。

〇 最後の見学地は「大石堰」です。筑後川が流れる土地にありながら、当時水利が不便で水田が少なかったことから、農民の生活はとても貧しかったのです。そこで、筑後川から水を引き入れる計画を5人の庄屋さんが立てます。60日間という大工事の末、水路を完成させます。吉井の町はこの水路のおかげでお米や農作物がたくさん育ち、農民の生活は豊かになったのです。

〇 この工程を参考にしたのが、アフガニスタンで生涯を捧げた「中村 哲さん」です。アフガニスタンに医者として就きますが「病気を治す以前の問題を解決しなければ、この国の人たちは救えない」と、土地を耕し、水路を引くことを決意します。そのために、中村さんは幾度も吉井町を訪れ当時の水路工事を学びます。5人の庄屋さんも中村さんも、それぞれ生きた時代は違いますが「人を救いたい」という想いと行動は一致していました。

 ことばはいのち

〇 今月の学校目標は「正しいことばづかいをしよう」です。どうして、今月の目標となったのでしょう。

 最近のお子さまのことば使いはいかがでしょうか。学校では、意味もなく「死ね」「うざい」「殺すぞ」「バカ」などのことばを耳にします。そのことで、言われた子どもは傷ついています。このことばから「いじめ」に繋がる恐れさえあります。「ことばつかい」から「いじめ」について学級で考えます。

〇 子どもの中には、ゲームやテレビの影響で「悪いことば」「汚いことば」が『かっこいい』と勘違いしている子どももいるかもしれません。しかし、話すことばはその人を表わします。「悪いことば」や「汚いことば」をつかっていると、気づかないうちに自分自身が『悪い人』や『乱暴な人』になる恐れがあるのです。

 聖書の中にも「口から出るものは心から出て来る」(マタイ15章18節)と記されています。相手を思いやる人は、「やさしいことば」や「はげましのことば」が出るでしょう。そんなことばは、聴く人をも心地よくします。あなたは、どちらのことばをつかいたいですか。ことばはいのちです!

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