しなやかさ
教 頭 松本 裕子
愛校バザー
〇「楽しかった!もっと長い時間あるといいな」
今年の「愛校バザー」は、4年ぶりにコロナ禍前に近いかたちでの開催となりました。子どもたちは勿論のこと、保護者のみなさまも従来の「愛校バザー」をご存知の方が少ない中、保護者後援会の会長様をはじめ理事の方々を中心に企画・運営が1学期から始まりました。「無理なくできることをして、楽しんでもらおう」と話し合いを進めていきますが、だんだんと趣向を凝らし準備に熱がはいる保護者のみなさま。
おかげさまで「愛校バザー」は大盛況。海星ファミリーの心に残る1ページとなったことでしょう。保護者のみなさまには、物品のご寄付から準備・運営、片づけなどたくさんご協力をいただきまして、誠にありがとうございました。
〇昨今、「PTA活動」が少なくなっていく中、本校は「保護者後援会」として、保護者のみなさまが会員となって活動をしていただいております。行事を通して、お子さまと時間を共有することの意義を大切にしているからです。今回のバザーは、それぞれの役割分担を通して、一緒に働く(奉仕)心と時間と姿を共有できました。保護者のみなさまは、お子さまの成長を感じられたり、子どもたちは、保護者のみなさまと過ごせた時間を喜んだり、感謝する場となったことでしょう。お子さまと一緒に学校行事を過ごす機会は、大きくなるにつれて少なくなっていきます。小学校時代にしかできない体験ができたことは、子どもたちにとって大きな財産となりました。
レジリエンス
○コロナの影響が学校生活に少しずつ表出しています。コロナで他者理解の経験が閉ざされてしまった影響でしょうか。周りをみて行動したり、自分の気持ちを相手に伝えたり、他者の気持ちを考えたりが難しくなっていることを危惧しております。
〇私たちは、失敗したり、災害や事故にあったり、人との悲しい別れがあったりと、さまざまなことで落ち込んでしまうことがあります。しかし、その困難を乗り越える力を私たちは持っています。それが「レジリエンス」といわれます。「レジリエンス」とは、もともと金属の板など(弾力のあるもの)が曲げられても元に戻ろうとする力のことを意味しています。
〇親子関係、学校や社会、友人関係といった周囲の環境が子どもの「レジリエンス」に大きな影響を与えます。つまり、①元気に明るく生きる力②しなやかな心を持つ力③へこたれない力の3つの力が育っているかに関係してきます。
例えば、①元気に明るく生きる力には、生活習慣が大きく影響します。お手伝いや成功体験などで培われます。②しなやかな心は、環境の変化などを受け入れ困難なことを言葉で表現し、自分や相手を理解することです。③へこたれない心は、困難を避けて通るのではなく、どうしたらこの困難を乗り越えられるかを考えて前に一歩ずつ進むことです。
4本の木
○ここに4本の木があります。1本目の木は、強風が吹いて幹からぽきりと折れてしまいました。その後、折れた木は、枯れて土にかえっていきました。しかし、残った株は、やがて小さな芽を出し、小さいけれど新しい木が誕生しました。2本目の木は、根を深くのばし、幹が太く丈夫な木です。どんな風が吹いてもびくともしません。3本目の木は、やわらかい枝と葉をしなやかにのばした木です。強風が吹いても大きくゆさぶられますが、風が去った後は元にしずかにもどります。4本目の木は、まわりに種を落とし、やがて芽吹き森ができました。強風が吹いても身を寄せ合って倒れることはありません。
○さて、あなたはどの木が好きですか。その木が好きな理由は何でしょうか。家族のみなさんで聴き合ってみるのもいいですね。
しなやかさ
〇「レジリエンス」の「しなやかさ」は、神さまが教えてくださっている「受容」から始まります。状況や弱い自分、他者を受け入れ、神さまに祈るときに「しなやかな心」がいただけるのです。
参考文献:「子どものレジリエンス」