現代と未来の教育課題は
校長 山田 耕司
全国連合小学校校長会75周年記念式典
○ 10月19日東京国際フォーラムに全国の小学校校長が集まり研修会が行われました。その機会に文部科学大臣・県知事会会長・都道府県教育長協議会会長・全国連合小学校長会長の話を聞くことができました。夫々の話からの「現代と未来の教育」が見えてきます。子どもたちの今とこれからをご一緒に考えてみましょう。
盛山正仁文部科学大臣の話
○ 75年に亘る日本の小学校教育は、国際的にトップクラスと評価されます。時代の変化のスピードは速まり予測困難な時代です。教育の役割は重大です。生成AIをはじめとするシステムの大きな変化の中、科学的根拠を示し、自分の頭で考え判断し実行する資質と能力が求められる時代です。子どもたち一人ひとりの豊かな人生を切り拓く、SDGs社会に生きる、そのために教育の姿を進化させる必要があります。
○ 文科省としての小学校教育の充実施策は、1学級定員35人・高学年専科制・不登校対策・幼小連携教育の推進・子どもの社会参加への資質・能力の醸成です。国民の期待と信託に応える校長の重責があります。小学校教育のより充実発展のために尽力・活躍を期待します。
村井喜浩全国知事会会長(宮城県知事)の話
○ 地方教育行政の課題は、不登校・いじめ・外国人児童教育・教員不足・教員の働き方改革・一人ひとりの子どもへの特別支援等と各都道府県共通です。
○ 子どもたちに他者尊重、協働しながら社会貢献をする人に成長してほしいと願います。各学校にはSDGs社会、Well-Beingの社会で貢献できる人材の育成・教育を期待します。それぞれの学校の特色を生かして積極的に取り組んでください。
浜 佳葉子都道府県教育長協議会会長 (東京都教育長)の話
○ 連合小学校長会は、長年、教育の充実・発展に尽力されてきました。戦後の教育改革、幾多の困難の中、調査・研究による貢献、また新型コロナ禍の中、苦しみを共有し小学校教育の質の向上に務められました。端末を1人1台、働き方改革等「令和の日本型教育」の推進に対して学校としての総合力の活用を期待します。教育の質の向上のため委員会と学校の更なる連携を願います。
植村洋司小学校長会長の話
○ 昭和24年度以来75年に亘って全国の校長は、教育の充実を図り教育環境整備の充実に協働して努めて参りました。私たちも現代に生きる未来に生きる子どもたちのために共に歩み課題解決の努力をしています。
○ 現代の教育改革の中心は、「働き方改革」の号令の中、近代社会の日本の歩みと共に、子どもたちと学校の未来を見すえ、前へ前へと挑むことです。私たちには、日本の教育を荷う自負と責任の下、自らの使命を受け止め、挑戦する信頼にこたえる教育をつくり出し展開することが求められます。
本校3年生のステラマリスの時間では
○ 10月24日、3年生ステラマリス(総合的な学習)の研究授業を観察しました。総合的な学習の目標は、「よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力を育成していく」です。即ち、構造的に論理的に考え判断し、自己評価して行動する子どもを目ざします。この実践は先の4者が期待されるこれからの教育の一例となるでしょう。
○ 3年生では「大豆」に注目しました。国語「すがたをかえる大豆(説明文)」、理科「植物の育ち方(大豆の種まき~花が咲いた後)」、ステラマリス「すがたをかえる大豆、大豆の後に」を教科横断的学習として構成し学ぶクロスカリキュラムです。その中でICT教育や聴き合い活動、SDGs教育を取り入れ価値づけています。保護者の方の協力も得て、きなこ・豆腐・もやし・味噌づくり等も体験します。大豆が人の命を支える。地球の命を支えることに子どもたちは気づいていきます。真に豊かな人生を切り拓くシチズンシップ教育の基礎基本の学びです。