クリスマス会に想うこと
教 頭 松本 裕子
〇 先週の11日(土)に学校ではクリスマス会がありました。昨年のクリスマス会より、少し従来の形にもどした今年のクリスマス会でしたが、新型コロナウイルス蔓延防止のために、保護者の方の参加は、代表の児童の保護者の方や5年生保護者の方の参加のみと限らせていただきました。
〇 1部の「喜び部」では、音楽クラブのミュージックベル《虹のかなたに》の演奏から始まり、子どもたちの奏でた音色に心が洗われました。5年生が演じる「よろこびのしらせ」の聖劇では、受胎告知からイエス様のご誕生、羊飼い・博士たちの礼拝とイエス様が私たちの救い主としてお生まれになったことを知らせました。
1部の最後には、イエス様のご誕生の灯を参加者全員に分けて、イエス様の命の灯を繋げたキャンドルサービスで終えました。
〇 2部の「お祝いの部」では、子どもたちが待降節の間に取り組んだ「虹色のプレゼント」をお祈りと共にお捧げしました。「感謝のプレゼント」「ゆるしのプレゼント」「信頼のプレゼント」な ど、各学年で考えたプレゼントは心のこもったプレゼントでした。
その後、小郡カトリック教会の山元眞神父様から、神父様が忘れられないクリスマスのエピソード(お話)を聴きましたので、ご紹介いたしましょう。 〇 12月24日の夕方、ご両親で「1歳の娘レイカが死にそうなんです。年を越せそうにないと医者から言われました。葬儀はどのようにしたらよいのでしょう」と神父様を尋ねて来られました。レイカちゃんは、生まれつき呼吸器官に疾患がありました。神父様は早速、次の日に病院のレイカちゃんの所へ行きました。レイカちゃんは、白いシーツにくるまれてたくさんの管が体に通っていて、とても苦しそうでした。神父様はレイカちゃんを見た時、 イエス様のお生まれになった姿、飼い葉桶に寝ている姿と重なりました。それから、毎日神父様はレイカちゃんの所にお見舞いに行き、ルルドの聖水を体に塗ってあげました。イエス様を訪れた羊飼いや博士たちの気持ちと重なりました。
28日、お医者様から「レイカちゃんの容態が少し落ち着いたので、年が越せそうです」と言われました。
お母様はその日夢を見ました。聖堂で「どうか、レイカを助けてください。私の命を捧げますので、助けてください」とお祈りしていると、十字架のイエス様が降りて来られて、「あなたにプレゼントをあげよう」そこには、元気なレイカちゃんがいました。そして、「私の命をあげるから、大丈夫だよ」と。そして夢が覚めました。レイカちゃんは年を越し、1月11日に帰天しました。奇跡は起こりませんでした。
〇 イエス様は、私たちを救うためにお生まれになりました。白い布にくるまれたイエス様は、十字架刑により亡くなった時も白い布にくるまれ葬られました。亡くなられる前日には、弟子たちと最後の晩餐をされました。その時「これは私のからだです」といって、パンを割いて弟子たちに与えます。つまり、「私が死んでもいつもあなたたちのからだの中に私は共にいるよ。一緒にそばにいるよ」とおっしゃっているのです。「神様は私たちにすべてを与えてくださっていますよ」というメッセージではないでしょうか。レイカちゃんのように1年しか生きられなくても、この生きていた1年間は素晴らしい完璧な人生だったのです。イエス様が共にいてくださった、命を捧げた1年だったからです。
〇 クリスマスは、1年に1回ではありません。イエス様は毎日私たちと共にいて下さいます。ですから、毎日がクリスマスです。静かに祈り、この静寂に中に神様はいてくださるのですから、今日のクリスマス会は、大事にしたいですね。
人は苦しいときや困ったときにお祈りをしますが、嬉しいとき、幸せな気持ちになったときにもお祈りをしましょう。
「神様はどんなときにも私たちと一緒にいてくださる」
これが本当のクリスマスの意味です。ご家族のみなさまでよいクリスマスをお迎えくださいませ。