校長室からMessage

マリアとマルタの話

校長 山田 耕司

マルタとマリア

○ ルカ福音書10章38~42節です。

その時、イエスはある村(ベタニア)にお入りになった。
すると、マルタという女が、イエスを家に迎い入れた。彼女にはマリア(聖母マリアとは別人)という姉妹がいた。マリアは主の足もとに座って、その話に聞き入っていた。

マルタは、いろいろのもてなしのためにせわしく立ち働いていたが、そばに近寄って言った。「主よ、わたしの姉妹はわたしだけにもてなしをさせていますが、何ともお思いになりませんか。手伝ってくれるようにおっしゃってください。」
主はお答えになった。「マルタ、マルタ、あなたは多くのことに思い悩み、心を乱している。しかし、必要なことはただ一つだけである。マリアはよい方を選んだ。それを取り上げてはならない。

これは、校内学芸会を控えた2月6日の「全校のつどい」で読まれた聖書です。子どもたちは自分に与えられた役割(使命)に懸命です。集中するあまり、時には全体が見えなくなります。心に余裕がなくなり心が乱れてきます。友だちのささいな動きや言葉にも敏感に反応してしまいます。

○ そこで「マルタとマリアの話」を一緒に考えてみました。マルタとマリアには弟のラザロもいます。3人姉妹弟です。村々を廻って話をしていたイエス達一行は、やっと馴染みのマルタ達の家にたどり着きました。イエスの旅の疲れを癒やして差し上げたいとマルタは懸命におもてなしをします。一方、マリアはイエスの話を聞きたいと首を長くして待っていました。聖書はその時の様子を詳しく伝えます。

○ イエスは姉妹にとって、生きる喜び・心の糧を与えてくださる大切な方です。その方が我が家に入ってくださる喜びを、姉は「奉仕」の気持ちで、妹は「言葉」(信仰)を求めてお迎えしました。家事全般を担うマルタは、忙しさのあまりついついいつもの 思いが出たのでしょう。「マリアはいつも自分のことばかり、私だって大切な先生のお話を聞きたい。でも今は先に食事の準備をしなければ」と。

学芸会の準備

○ 週末に「校内学芸会」を控え、子どもたちはその練習に準備に懸命です。でもなかなかうまくいきません。時間は迫ってきます。どうしよう?どうしよう?

私の「困っていることがありますか」の問に、何人もがうなずきます。そこで、一緒にマルタとマリアの気持ちを考えてみましょう。

○ 「とても大切なお客様が皆さんの家に来られます。どんなおもてなしをしますか。」「皆さんの『公開学芸会』では大切なお家の方々お見えになります。どんな劇や音楽をお見せしたいですか。」

 一人ひとりは一生懸命やっていますね。でもうまくいかないこともあります。そんな時は一度立ち止まって、係りのグループでクラスの皆で聴き合ったり話し合ったりしてみませんか。きっとヒントが見つかりますよ。マルタもマリアもイエス様をお迎えする前に話し合いをしておくとよかったのかもしれませんね。

み言葉作文                                 

○ 「全校のつどい」で聖書の話を聞いた後、子どもたちは各学級で担任の先生の補足支援を受けて、毎回「みことば作文」に自分の心の内を表します。ぼくはマルタのように自分のことより人のために働ける人になりたいです。校長先生の言うように前もって二人で話し合っていれば二人ともイエス様のお話を聞けたと思います。私もよく聴き合ったり話し合ったりして学芸会練習をしたいと思います。この後、マリアも手伝って一緒に食事の片づけをしたと思います。マルタみたいに私のお母さんも忙しいのでもっとお手伝いをします。お母さんと一緒に食事の準備や片づけをしたいと思います。お父さんが週末に疲れて帰って来た時、ぼくは黙ってゲームをしています。「お帰りなさい」と言うようにします。イエスさまのお話を聞くことが一番大切です。みんなで協力して学芸会を成功させます。                           

学芸会                                  

○さて、公開学芸会は如何でしたでしょうか。多くの子どもが達成感や充実感を味わいました。中には課題を明確にした子どももおります。これからを期待します。成長の姿です。                    

○「他者のために働く」こと「自己の内面を深く掘り下げ真理にむかう」ことの大切さを「マルタとマリアの話」は導いてくれます。「心と身体の育ち」は私たち共通の願いと思います。その一歩一歩を海星っ子は今年度も歩みました。

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