校長室からMessage

日向の階段

校 長  山田 耕司

服部 剛の詩

日向の階段 (ひなたのかいだん)

ダウン症をもつ息子を

支援学校へ送り

小さな手をつなぎ

校内の白い階段をのぼる

三階へと差しかかったとき

足下にすっと日が射した

詩人の父親と

言葉を知らない息子の影はのびて

凸凹な親子の背中を

窓から光が押している

息子の手をにぎる

私はつぶやく

「今日の階段をのぼろう」

○ 服部剛さんは、尾崎豊や遠藤周作の影響を受けて詩人になりました。人間の哀しみや弱さをみつめ、寄り添う詩を綴ります。谷川俊太郎は、「息子や家族への愛情、キリストへの畏れや祈りが織り込まれた作品から、戦前のクリスチャン詩人、八木重吉の姿を彷彿とさせる」と評します。

 今、10代の若者たちがよく聴く昭和の歌は、尾崎豊だそうです。「I love you」「十五の夜」。その歌詞に自分を投影させているのだそうです。ロンドンで暮らす46歳の次男が、10代~20代の彷徨する時期によくひとりで尾崎豊の「十五の夜」を口ずさんでいました。思い出します。

今日の階段をのぼろう         

○ 6年生のインドネシアとの姉妹校交流(オンライン)に参加しました。今日のテーマは、「私の将来の夢」です。一人ずつフリップを使って話します。「ゲームプログラマー(ゲームをつくる仕事に携わる)になりたい」と「医師になりたい」が目立ちました。理由は未だ説明できません。それは英語力不足か語彙力不足か表現力不足か意欲不足か分かりません。

○ 交流後の感想は次の通りです。インドネシアの6年生が英語を流暢にしゃべるすごい。医者になりたい理由をしっかり言っていた。英語が聴き取れなかった。聴けるようになりたい。ドキドキしたけどできてほっとした。楽しかった。また交流したい。                         

皆の夢が分かった。実現するといいな。インドネシアってどんな国なのかな。                   バスケットやサッカーをしている。英語が上手になりたい。               

○ 初めての体験でした。第一歩です。今日の階段はのぼりました。これから多様な体験を一つ一つ積み重ねていけばいいのです。

種まきのたとえ話(マタイ福音書13章18-23)

○ イエス時代の種まきは、今と違って種を土の上からぱらぱらと播いておいて、後から土を掘り起こしてかけていきます。種は、道ばた、岩地、いばらの中やよい土に落ちます。色々な土壌にまかれた種はその後どうなるのでしょう。まかれる場所によって成長の仕方が違うとイエスは導きます。人は神の愛をしっかりと受け止めて多くの実りを得たいと願います。そのためには土壌つくりが欠かせません。

○ 人の育ちで、0歳から12歳はとくに大切な時期です。

人間の人格・人間性の根幹が形成されるこの時期に、どのような環境を与えられますか。身体的には、知的には、霊的(魂)には。 子どもは家庭で育ちます。地域社会に守られて育ちます。学校で同年齢集団と異年齢集団と共に育ちます。幸せと苦しみを体験しながら成長していきます。大人はその子とその子が関わる人々が共に生きる環境を常に整える喜びを味わいます。もうすぐ夏休みですね。

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