歴 史
教頭 松本 裕子
歴 史
〇「歴史とは、なんでしょう」と聞かれるとき、「それは大きな世界です。かつて存在した何億という人生がそこにつめこまれている世界なのです」と、答えることにしている。―― 司馬遼太郎の「21世紀に生きる君たちへ」の本の一説です。この本は卒業生に贈ったものです。
〇この歴史の中で不変なもの。空気と水、土があって、私たち人間は生かされています。「自然」という不変を基準に人間を考えてみると、自ずと「感謝」の思いが湧いてきます。しかし、歴史がいつの間にか「人間」の存在中心(自己中心)になり、この地球が壊されています。司馬遼太郎氏は『「自己」を確立することは大切である。―自分に厳しく、人にやさしく―という自己を』
ラウダーテ・デウム
〇2023年10月4日、回勅「ラウダート・シ」を補完する使徒的回勅「ラウダーテ・デウム」が発表されました。
フランシスコ教皇さまは「私たちの地球環境への行動は未だ十分ではなく、状況は危機的であること、地球温暖化の原因は人的なものであること、共に住む地球へのいたわり」を提言されました。そして「地球破壊で影響を受けているのは、最も弱い立場の人々です」と。
〇私たちは、目の前に地球が壊れていく現象を見て感じています。地球温暖化による異常気象によって、猛暑、洪水、氷河の崩壊、水不足など。地球(自然)の歴史を再度、「自己中心」から「地球(他者)中心」に変えていく必要があります。
相手をいたわる気持ち、他者の痛みを感じる気持ちは「やさしさ」「助け合い」に繋がります。そして、この地球を救うことになります。これは、イエス様の生き方そのものです。本学院の理念に通じます。これからも、子どもたち一人ひとりが「他者のために役立つ人間」になれるよう職員一同、努めてまいります。
お別れ
〇海星小学校56年の歴史は、出会いや別れがくり返され刻まれていきます。今年度3月でご退職・ご勇退されます先生方がいらっしゃいます。
海星小学校で5年間勤務されました、中村章耶先生がご退職なさいます。先生は、算数を専門教科とされ、今年度は理科や宗教にも力を注いでくださいました。算数のクイズや理科の観察、聖書のお話をたくさん紹介していただきました。
★中村 章耶先生より
私事ではございますが、令和6年3月31日を持ちまして、海星小学校を退職させていただくことになりました。4月からは、熊本の公立小学校で子どもたちと共に学ばせていただきます。
私が海星小学校の赴任しましたのは、今から5年前、元号が平成から令和に変わる時でした。先生方と一緒に菅官房長官の元号発表を楽しみに待っていたのを覚えています。また、ここ海星にきて、初めてイエス様の教えに触れました。子どもたちや保護者の方と共に学習することで今までの自分の生き方を見直すことができました。子どもたちにはイエス様の教えを大切にしながら今後も学校生活を送ってほしいと思います。
終わりに保護者の皆様方、大切なお子様を任せていただき、ありがとうございました。学級経営で心配な事や不安な事も多々あったかと存じます。それでも、学級経営方針にご理解・ご協力いただき大変ありがたく思います。今後もお体に気をつけて海星小学校を支えていっていただけたらと願います。
5年間、ありがとうございました。 中村 章耶
16年間、学院の校長、園長として勤務していただきました、山田耕司校長がご勇退なさいます。九州地区のカトリック学校の中心となりお世話役としてもご尽力を賜りました。海星がめざす子どもの姿「12歳のわたし ぼく」を指針として示してくださり、子どもたちが安全に遊べるようにと「芝生広場」を設置してくださったり、本をたくさん読んでほしいと「海星100冊」を考案してくださったりと、たくさんの功績を残してくださいました。
「毎週月曜日の「全校のつどい」では、聖書を分かりやすく子どもたちにお話ししていただきました。
また、私たち職員にも毎朝の朝礼でカトリック校に働く職員の使命として「神さまの教え・生き方」を解いてくださいました。6年生は、修学旅行で教会や殉教の地を見学しながら本校のルーツをお話しくださいました。いつも私たちを見守り、教え導いてくださり、ありがとうございました。
〇私も海星小学校へ勤務いたしまして、今年度で定年を迎えることとなりました。教頭職になりまして「地の塩」を書かせていただき、保護者の皆さまに少しでもお役に立てればと微力ながら4年間掲載をさせていただきました。保護者の皆さま方には、いつも温かく支え、見守っていただきましたこと、深く感謝申し上げます。定年を一区切りといたしまして、来年度からは、嘱託としまして、勤務させていただきます。
新たな海星の「歴史」の1ページが刻まれていきます。どうぞ、よろしくお願いいたします。