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海星小の宿泊行事

校長 深井 隆弘

海星小のルーツとは、どのようなものだろうか。

 この問いは、6年生が現在ステラマリスの学習で追究している課題です。修学旅行では、この課題解決のために各地を訪れました。

 修学旅行後に子どもたちが考えた課題の答えとなるキーワードは、「信仰」「平和」「殉教者」「真理」「隣人愛」「やさしさ」「布教」などでした。一人ひとり、よく考えていると思います。

 大切なのは、その根拠です。これから、待労院や天草・長崎の潜伏キリシタン関連遺産などの歴史的事象を根拠に、自分の考えを表現物にまとめ交流する学習に入っていきます。どんな交流になるのか楽しみです。

 海星小の宿泊行事は、各教科等やステラマリスの学習の一環としても位置づいています。そのような視点から6月の3つの宿泊行事について紹介します。

○夏季合宿(1年生~3年生)

1年生から3年生まで参加 する夏季合宿は、自然を愛する心情を育てることをねらっています。子どもたちは森の中でゲームを楽しんだり、浜辺を散策したりして自然に親しみます。

 また、1年生や2年生は自立の基礎を養うこと、3年生は主体性・協働性を養うことにねらいがあります。

 夏季合宿は、縦割り班で活動します。異学年の共同生活です。3年生は、リーダーシップを発揮しなければなりません。2年生は3年生に協力し、1年生は言われたことを素直に聴くという態度が大切になります。 

 2日間という短い期間ではありますが、3年生の主体性・協働性と2年生、1年生の自立の基礎が養われる大切な時間になるのです。

 夏季合宿を通して、たくさんの学びを実現してほしいと思っています。

○サマーキャンプ(4年生、6年生)

 サマーキャンプは、外国人との出会いを通して、文化や考え方を聴き合ったり、英会話のスキルを高めたりすることにねらいがあります。

  事前に子どもたちは、自己紹介のためのパスポートを準備します。今年度は、1日目が外国人と佐世保の街歩き体験、2日目がハウステンボス内で「ジュニアダイレクション」「英語でウォークラリー」を行います。

  また、英会話の事前準備として、高等学校の生徒と交流の場を作り、学び合いの機会とします。

○自然宿泊体験学習(5年生)

  5年生の自然宿泊体験には、2つのねらいがあります。

一つは、島原の農村や漁村に民泊して農家や漁家の姿を体感することです。

  5年生の社会科に、日本の農業や水産業の様子や発展について学ぶ単元があります。写真で紹介している農家では、ミニトマトだけでなく、いちごも栽培しているそうです。経営の多角化です。農業技術の進歩や市場ニーズへの対応等に伴い、農業経営に変化が生じているのです。

  子どもたちには、農家や漁家の工夫や努力を体験的に学びながら、日本の農業や水産業の発展について考える子どもになってほしいと思っています。

  もう一つは、島原・天草のキリシタン関連の歴史を学ぶことです。

 この学習は、6年生の修学旅行につながります。キリスト教がフランシスコ・ザビエルによって伝えられ、その後どのように広がっていったのか、キリスト教が禁止された時代に人々はどのように生きたのかを、訪問地でシスターや学芸員さんからお話を伺いながら学んでいきます。

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