校長室からMessage

魔法のことば

教頭 松本 裕子

夏季合宿

〇「地の塩」337号の記事で書かれていた、海星小学校が大切にしている集団宿泊的行事のひとつ、1年生から3年生が参加する「夏季合宿」に引率してまいりました。
家族と離れて体験する合宿は「だいじょうぶだよ」「がんばったね」の魔法の言葉を子どもたちに注いだ1泊2日となりました。昨年も引率しましたので、2・3年生の子どもたちの成長を頼もしく感じました。

〇子どもは一人ひとりに課題があります。それを自分で解決していこうと、弱い自分と戦います。
3年生のA君は、昨年活動には参加しましたが、宿泊することができませんでした。親元を離れることへの不安がA君を飲み込んだのでしょう。しかし、今年は弱い自分と戦いました。夜中、怖くなり母親へ電話をします。母親は「だいじょうぶだよ。きっと乗り越えられるよ」と励まします。

同じくBさんは、夜になると昨年も母親が恋しくなり、涙をこぼしました。今年は、母親が作ってくれたお守りのキーホルダーを握りしめ、必死に寂しさと戦います。キーホルダーには、「たのしんで!」「だいじょうぶだよ!」のイラスト入りのお手紙がつけられています。お母さんが守ってくれるから「だいじょうぶ」と魔法の言葉で励まします。

○2年生のCさんは、昨年合宿に参加することができませんでした。しかし、今年は1日目の「インドアビンゴ」に参加することができました。帰って行くCさんの顔は自信に満ちていました。「がんばったね」

○3年生は、縦割り班のリーダーとして、すべての活動の司会進行を務め、食事のお世話(セルフサービスですので、先に1年生の食事をトレイにとって机まで運びました)、部屋の整理整頓と、気配りをして働いてくれました。きっと、お世話をする大変さを学び、日頃周りの方々にお世話をしてもらっていたことに気づき、感謝できたことでしょう。
3年生はリーダーとして自信をもって「だいじょうぶだよ」

おかわりは汁物!?

○食事は活動班でいただきました。低学年には品数が多いので食べられるものだけをトレイに入れました。おかずのおかわりはできませんが、ご飯や汁物のおかわりはできます。子どもたちは「このお味噌汁おいしい」「このスープ大好き」となぜか汁物のおかわりに並びます。中にはごはんと味噌汁だけの子もいて、味噌汁を3、4杯おかわりした子もいました。

○「味噌汁はお家で出ないのかな?」「ご飯を汁物で流し込んで食べているのかな?」と心が動きます。
子どもたちの食生活をこのような宿泊行事を通して垣間見ることができ、偏食、好き嫌いの課題は子どもの心身に大きく影響をしていることが考えられます。 子どもが課題を解決する力と食生活は関係していると言われます。ぜひこの機会にご家庭の食生活を見直してみませんか。

子どもをみる

○お子さんが登校を渋ったり、不登校傾向だったり、今までできていたことが急にできなくなったりした場合、保護者のみなさんは不安の穴に陥ってしまうことがあります。そんな時、一刻も早く解決をしたいと育児書や教育書を読み漁りますが、答えはなかなか見つからず焦ります。

そんな時、ありのままのお子さんを受け止め、同じ時間を共に過ごすことをしてみてはいかがでしょう。私たちは、お子さんの「何」をみたらよいでしょうか。お子さんの不安な気持ち(心)です。大人の考えや見方で子どもの心を見落とさないようにしましょう。まずは「あるべき姿」ではなく「ありのままの姿」を受け入れることから始めましょう。できないことではなく、できたことに目を向けましょう。スモールステップですが、お子さんを信じて寄り添いましょう。神さまはおっしゃいます。

「私はあなたと共にいる。私はあなたを強くし、必ず助ける。私は正義の右手であなたをしっかりと支える」
イザヤ41.10

一覧